急成長企業はいかに「チームレジリエンス」を育んでいるか?ハードシングスと共に歩むグッドパッチの軌跡から学ぶ

9/24(土)に開催した「急成長企業はいかに「チームレジリエンス」を育んでいるか?ハードシングスと共に歩むグッドパッチの軌跡から学ぶ」のアーカイブ動画です。不確実性の中で挑戦を続けるグッドパッチにおける、チームレジリエンスのあり方とは。株式会社グッドパッチ 代表取締役社長兼CEO土屋尚史さんに伺いました。

※2022年9月のインタビュー当時の情報です。現在は異なる可能性があります。

チャットログはこちら

「急成長企業はいかに『チームレジリエンス』を育んでいるか?ハードシングスと共に歩むグッドパッチの軌跡から学ぶ」のチャプター

00:11 CULTIBASE Labの紹介
00:53 登壇者自己紹介
06:50 レジリエンスとは何か
09:12 チェックイン
12:44 チームレジリエンスとは何か・なぜチームレジリエンスが必要か
16:34 チームレジリエンスの3つの力
19:17 グッドパッチの事業の紹介
26:26 グッドパッチが経験した組織崩壊
32:58 組織状態がV字回復するまでのグッドパッチの軌跡
37:03 なぜ失敗をオープンにするのか
41:27 ピクサーから学んだ、失敗をオープンにする組織文化
44:36 失敗をオープンにすることで生まれる組織学習
52:14 組織学習を促す、失敗を語る際の工夫:バリュー浸透のプロセス
57:50 組織学習を促す、ふり返りの工夫:人ではなく仕組みを変える
59:50 若手を失敗経験から育成するには
01:10:04 経営陣のチームレジリエンス
01:14:57 「回避」しすぎないことで育まれるレジリエンス
01:20:06 組織として、課題や困難にどう対処するか
01:25:58 土屋さんのレジリエンスの強さ
01:28:17 補足:チームレジリエンスの3つの力をいかに発揮するか
01:31:15 補足:個人のレジリエンスとチームレジリエンスを発揮する場面の違い
01:33:15クロージング:今後のイベントのお知らせ

「”急成長企業はいかに「チームレジリエンス」を育んでいるか?ハードシングスと共に歩むグッドパッチの軌跡から学ぶ” 」のポイント

・まず「レジリエンス」とは、困難な状況に直面しても挫折から立ち直り、前進し続けられること。フィッシャーが唱えた「困難な状況に対する結果のステージ」を参照すると①挫折 ②負傷 ③回復 ④繁栄 の4つの状態において、レジリエンスはステージ③回復 ④反映に至る過程と能力だと定義できる。

・では「チームレジリエンス」とは何か。チームレジリエンスは、チームで困難を乗り越えることや、乗り越えるために必要な力のこと。①回避(困難を避ける)②対処(困難に対処する)③学習(困難から教訓を得て、次に生かす)の3つの力から構成される。


・不確実性の高い現代において、組織内外で起こる複雑な課題をマネージャー1人で解決するのは困難だ。そのため、チームとして乗り越えていく力が求められている。本イベントでは、チームレジリエンスを発揮している組織の事例を紐解くべく、株式会社グッドパッチ 代表取締役社長兼CEO土屋さんにお話を伺った。
・まず、土屋さんから、グッドパッチの事業紹介と、これまでの歴史をお話しいただいた。グッドパッチは、創業から5年で100名規模になるも、離職率が40%に上る状態が2年半続く組織崩壊を経験。事態が好転するきっかけとなったのは、新卒1年目の社員が全社員に向けて行った「会社のことが大好きだ」というプレゼンテーションだった。そのプレゼンをきっかけに、バリューの再構築・再浸透に取り組み、組織状態もV字回復へと向かったと土屋さんは話す。
・次に、グッドパッチにおけるチームレジリエンスを紐解くべく、土屋さんのお話を深掘りした。まず、グッドパッチのチームレジリエンスは、失敗をオープンにする文化と深い関係があるのではないかという点について。これについて土屋さんはまず、失敗をネガティブに捉えすぎない自身の性格が大きく影響していると伝えた。また、ピクサーの組織文化にも影響を受けたといい、グッドパッチ創業前から「失敗をオープンにする組織にしたい」と考えていたという。
・失敗をオープンにし、組織学習を生みだしている施策の一つが、”社長研修”だ。グッドパッチでは、新しく入社した社員のオンボーディングの一環として、計5時間かけて、土屋さん自ら会社の歴史とビジョン・ミッション・バリューの話を語る研修がある。この研修を行う理由として土屋さんは以下2点を挙げた。
・1点目が、グッドパッチの原点となるエピソードを共有することで、新しく入社した社員にも当事者意識が生まれる点。2点目が、クライアントの多くが、プロダクトだけでなく組織にも課題を抱えているため、グッドパッチの経験が良い参考事例になる点。こうした取り組みが働き、「同じ過ちを繰り返さない」という組織学習につながるような意識が育まれていると言う。
・また、失敗を共有し、新しく入社した人に対しても、単にバリューを伝えるだけでなく、再構築に至る過程も伝えていると言う。これにより、今のバリューに込められた想いや熱量、傷を共有することができ、バリューへの納得感がより高まると語る
・次に、チームレジリエンスの要素③:回避に関連し、不確実性と隣り合わせで経営を進める中で、大きすぎるリスクを避けるための工夫を聞かれた土屋さん。これについては「自分は回避力が低いかもしれない」と答えた。その理由として、壁を回避するのではなく、早い段階で壁にぶつかる経験を繰り返すことで、胆力が養われるのではないかと言う。
・また、土屋さんが実際に困難に直面した際には、経営陣に相談するだけでなく、社員とも交流するという。経営層やリーダーが、チームメンバーとともにボロボロになりながらも苦労しながら壁を乗り越えていくからこそ、チームとしての達成感があるはずだと述べる。
・最後に、池田がグッドパッチにおけるチームレジリエンスの特徴をまとめた。グッドパッチの事例では、土屋さん個人が、リーダーとしてレジリエンスを発揮されていた話や、チームレジリエンスの要素③学習にまつわる話が多く言及された。これについて池田は、チームレジリエンスの3つの力:①回避②対処③学習 のうち、どの要素に重きが置かれるかは、業種や職種によって異なると伝えた。

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出演者

青山学院大学経済学部卒業。 新卒にて、大手自動車メーカーグループの金融会社に入社。自動車ディーラーの収益向上や財務体質の改善に向けた金融コンサルティング業務に従事。 その後、株式会社GLOBISに入社。人材育成のコンサルティング業務や他流試合型育成サービスのPJに参画した後、マネージャーとしてチームマネジメントや講師業を経験。 現在は株式会社MIMIGURIにて、経営 / 組織コンサルティング業務に従事しつつ、事業リードとしてUnit経営モデルに取り組んでいる。

筑波大学ビジネスサイエンス系助教/株式会社MIMIGURI リサーチャー
東京大学大学院 学際情報学府博士課程修了後、同大学情報学環 特任研究員を経て、現職。MIMIGURIではリサーチャーとして、組織行動に関わる研究に従事している。研究キーワードは、レジリエンス、ジョブ・クラフティング、チャレンジストレッサーなど。著書に『チームレジリエンス』がある。

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株式会社グッドパッチ 代表取締役社長兼CEO

1983年生まれ、長野県出身。2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、様々な企業の事業戦略からUI/UX、開発まで、企業価値の向上を支援。ベルリン、ミュンヘンにもオフィスを構え、世界で200名以上のデザイナーを抱える。2020年6月、デザイン会社として初の東証マザーズ上場。

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