リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法

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約90分

9/17(土)に開催した「リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法の提案」のアーカイブ動画です。リフレクション(ふり返り・省察)を通じて学び、成長する”省察的実践家”として活躍するためには。経験によって得られる暗黙知を形式知として活かすために何ができるか。理論と実践の両方から深堀りしました。

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「リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法」のチャプター

00:11 CULTIBASE Labの紹介
05:10 チェックイン
10:10 自己紹介
14:43 リフレクションの定義
18:47 リフレクションの理論(1):反省的思考
20:32 リフレクションの理論(2):省察的観察
22:43 リフレクションの理論(3):省察的実践家としてのあり方(リフレクション・イン・アクション)
25:54 リフレクションの理論(4):ALACTモデル
28:28 リフレクション実践のポイント(1):前提を疑う
30:50 リフレクション実践のポイント(2):メタ・リフレクション
32:37 リフレクションの誤解(1):リフレクションは反省会である
35:46 リフレクションの誤解(2):リフレクションは過去のことだけを考えるものである
37:42 リフレクションの誤解(3):リフレクションをやれば人や組織が変わる
40:24 リフレクションの意義:省察的実践家になり、学び続けられるチームになっていく
48:20 ディスカッション(1):リフレクションを行うべきタイミングとは?
56:45 リフレクションの方法(1):経験の記述
01:01:32 リフレクションの方法(2):対話の活用
01:05:00 リフレクションの活用事例
01:12:02 リフレクションに”慣れる”ための工夫
01:16:27 ディスカッション(2):普段リフレクションをする上で気をつけていることは?
01:18:19 ディスカッション(3):チームでのリフレクションが周りにどのような影響を与えるか?
01:26:33 クロージング:今後のイベントのお知らせ

リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法のポイント

  • リフレクションは、「自分が経験した出来事について、その場の状況に埋め込まれた本質を見出し、以後の行動をより良くしていくこと」と定義される。経験から学びを得る行為であり、日本語では、「ふり返り」「省察」と訳されることが多い。
  • では、なぜリフレクションが重要なのか。変化の激しい現代において、私たちは前例のない状況にも適応し、新たな経験から学び続けなければならない。こうした状況においては、個人・チーム・組織それぞれが、リフレクションによる経験学習に取り組み、暗黙知を形式知として形づくりながら、成長していく必要がある。
  • こうした前提を踏まえ、リフレクションを考える上での基本となる、以下の4つの理論を紹介した。


①リフレクティブ・シンキング(ジョン・デューイ)

②経験学習サイクルにおける「省察的観察」(デイビット・コルブ

③リフレクション・イン・アクション(ドナルド・ショーン)

④ ALACTモデル(フレット・コルトハーヘン)

  • こうした理論を踏まえた上で、実践する際に生まれがちなリフレクションの3つの誤解を解説した。1つ目が、「リフレクションは反省会である」という誤解である。リフレクションを「反省」ではなく「見直し」と捉え、物事の判断を急がず、まずは実際の出来事を「見えるようにする」ことが大切だと瀧は語る。その上で、背景にある思考や感情、価値観を探り、出来事の意味を捉え直していくのだ。
  • 2つ目は「リフレクションは、ひたすら過去のことを考えるものである」という誤解について。過去の視点にとらわれすぎると、「反省」というネガティブ思考になり、未来への学びが得づらくなる。ここで重要になるのが「今ここの視点」だ。つまり、リフレクションは、「過去」の自分について考える「今」の自分が何を感じているのかが重要であり、「過去」や「今」の本質を捉えた上で「未来思考」で取り組むものであると瀧は述べる。
  • 3つ目が「リフレクションをやれば、人や組織が変わる」という誤解。リフレクションに即効性を求めると、本質的な課題を掴めず、表面的な改善に止まってしまう。今の状況を丁寧に認識することで、チームの状態をより良くする方法を冷静に考えられるだろう。
  • これらを踏まえ、「今・ここ」の認識を分かち合い、自分達の経験したことの意味に自分で気づけるようになると、次に進む方向性を「見直す」ことができるのだと瀧は述べる。それがリフレクションの意義であり、この営みを繰り返すことで、ドナルド・ショーンの言う「省察的実践家」が増えていくことで、学び続けられるチームが形成されていく。定期的なリフレクションが個人・チームの組織の成長へつながることもあるのだ。
  • 最後に、リフレクションの方法とその具体例を、濱脇とディスカッションしながら紹介した。まとめとして瀧は、理論や実践例を参考にしながら、自分なりのリフレクションの方法を探究できるといいのではないかと話す。

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出演者

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学非常勤講師。 新卒でヤフー株式会社に入社し、UXデザインの実践と社内普及活動を行う。事業づくりだけでなく組織づくりに課題を感じてからは、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。2020年よりMIMIGURIに参画し、自社サービスCULTIBASE立ち上げ時のサービスデザイン、コンサルティング事業で新規事業開発プロジェクトを中心に担当。現在は、MIMIGURIのナレッジマネジメント、知識創造の仕組みや文化づくりを推進しながら、リフレクションやナレッジマネジメント領域の研究に従事。広義のデザインの実践と研究を一体のものとして体現することを大事にして活動している。

筑波大学理工学数学類卒。大学在学中よりコンサルタントとして独立し、創業支援や事業計画の立案、広告戦略立案や地域ブランディングに従事する。また、長期でのBPRによる業務改善、中期での経営企画部・営業部へのハンズオンコンサルティングも経験。2018年より前身であるDONGURIに入社。現在、MIMIGURIにおけるコンサルティング事業の事業長を務め、経営コンサルティングや組織デザイン・ブランド戦略の策定などのプロジェクトオーナーも努め、幅広く企業・組織・事業の成長に伴走する。

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