組織学習概論:学び続ける組織をつくるには? 

7/16(土)に開催された組織学習概論:学び続ける組織をつくるには?のアーカイブ動画です。南山大学経営学部教授の安藤史江さんをゲストにお招きし、組織学習論の定義から、組織学習におけるミドルマネージャーの役割まで、最新研究を交えながら解説いただきました。

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チャプター

00:11 イントロダクション
13:01 本日のテーマ・学習ゴールの共有
21:55 組織学習の定義とプロセス
34:57 なぜ組織学習が必要なのか・組織学習のメカニズム
42:07 組織学習の3つのパターン
50:21 組織学習の本質①:低次学習の重要性
01:01:47 組織学習の本質②:両利きの経営を支える組織学習
01:10:25 組織学習の本質③:正統性を獲得するためのパワー・マネジメント
01:16:57 ミドルマネージャーに期待されること
01:32:31 今後のイベントについて・ラップアップ

今週のポイント

・組織学習とは、組織におけるルーティンが変化し、定着することであり、そのプロセスは下図の通り表される。

・組織学習が重要視される理由を、組織学習が組織の存続と成長の原動力になりうるからだと安藤さんは説明する。内外環境が絶え間なく変化する中で、状況に適応するだけでなく、「ルールを作る側に回る」程の能動的な発想・行動がなければ、組織の成長は望めないからだ。
・組織学習は下図3パターンがあり、特に〈パターン3〉が重要だと言われる。組織が順調な時から〈パターン3〉の学習を通じて様々なアイデアを育てることで、環境変化に直面した際にも、状況に合うアイデアを選択できる。

・安藤さんは、組織や組織学習の「あるべき姿」をテントやシーソーに喩えた。いつでも秩序が崩れる可能性を認識し、常に変化できる状態が望ましい。
・次に、組織学習について把握しておくべき本質の一つとして、低次学習の重要性に言及した。低次・高次学習は下図の通り表されるが、事業に対するインパクトの大きさから、高次学習ばかりを重要視する人もいる。しかし、高次学習には、新しい発想を生むための吸収能力の構築が必要であり、そのためには低次学習の積み重ねが欠かせないと安藤さんは伝えた。

・最後に、組織学習におけるミドルマネジャーの役割について伺った。安藤さんは、様々な経験を通じた学習機会を、部下に提供するべきだと言う。その上で、組織に欠かせない価値や意味を共有しながら、逸脱を許容し、現場に任せることが重要だとまとめた。
・また、知識や学習成果を共有するシステムの重要性についても言及した。個人の学習を共有する場がなければ、組織の成果に繋がらない。また、大きな成果を生み出すには、自分の仕事だけでなく、他者を見渡す目が必要になる。そのためには、Who knows what – 誰が何を知っているのか を見える化するなど、仕組みを整えることが重要だと伝えた。

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出演者

慶應義塾大学法学部法律学科卒業。MIMIGURIでは、イノベーションプロジェクトの責任者を務め、人・組織・社会の変容にファシリテーターとして伴走している。R&D部門や新規事業部門に出向し、ハンズオンでボトムアップ型の事業・組織づくりを推進することを得意としている。CULTIBASEでは組織学習に関するコンテンツを担当。MIMIGURIに入る以前は、日系企業再生コンサルティングファームにて、再生対象企業の事業計画策定、経営企画機能の整備、資金繰り管理等に従事していた。北海道東川町在住。

法政大学経営学部経営学科卒業。大学在学中からワークショップを中心とした対話の場のデザインを学び、2017年より参画。MIMIGURIでは編集者としてCULTIBASE事業におけるコンテンツの企画・制作を担当。創造性の土壌を耕すための知を編み直し、社内外に届ける役割を担っている。

南山大学経営学部教授

名古屋大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2000年に東京大学より博士(経済学)。専門は組織学習論、組織変革論。主要著書に『組織学習と組織内地図』(2001年、単著)、『組織変革のレバレッジ』(2017年、編共著)、『コア・テキスト組織学習』(2019年、単著)など。1998年に組織学会高宮賞(論文部門)を、2017年に第69回全国能率大会において経済産業省経済産業政策局長賞を受賞。企業やシンクタンクとの共同研究や研修講師に加え、行政の諸委員も歴任。大学ゼミでは産学連携活動にも注力。

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