事業の課題、組織の課題、職場の人間関係の課題・・・
組織内で日々発生する課題は多種多様です。また、これらを個別に解決しようとしても、課題のもぐらたたきのようになってしまい、本質的な解決に至らないまま、組織やチーム全体が疲弊してしまうことも少なくありません。
組織課題を解決するためには、まずはその課題を個々の部門だけの問題とするのではなく、異なる部門やヒトとの”関係性”のなかで起こるものだと捉える必要があります。こうした中で、CULTIBASEを運営する株式会社MIMIGURIでは、異なるセクション同士が対話を通じて整合性を取り、組織づくりを推進するための羅針盤「Creative Cultivation Model(通称:CCM)」を提唱しています。
【3分解説】Creative Cultivation Model(CCM)とは何か?
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ヒトと組織に強い経営人材になるための『新時代の組織づくり』
シリーズ「CCM総合実践講座」では、このCCMを組織づくりに活用するための理論や、実践上のポイントの専門的な解説をお届けします。今回のテーマは「組織デザインの理論と実践」。前後編にわたって配信します。後編はこちら。
CCM総合実践講座のバックナンバーはこちら
組織づくりの基本原則[前編]|CCM総合実践講座
組織づくりの基本原則[後編]|CCM総合実践講座
「組織デザインの理論と実践[前編]|CCM総合実践講座」のチャプター
00:11 組織デザインとは何か?
18:33 組織デザインの「構造」
「組織デザインの理論と実践[前編]|CCM総合実践講座」のポイント
■組織デザインとは何か?
- 今回はCCMの中核的な領域である「組織デザイン」について、ミナベトモミ(株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO)による解説をお届けする。
- 組織の事業的な側面に目を向けると、組織とは「事業多角化を通じて社会的価値を生む経済組織体」だと言える。他方で、組織のヒトの側面においては、組織とは「仕事と共に人間同士の関係性が発生する職場共同体」だとも言える。組織デザインの中心的な考え方は、矛盾しがちなこの2つの性質を高い水準で併せ持ち、整合・調和させながら価値を生み出していく点にある。
組織の「矛盾」を手懐けるリーダーシップの最新知見
- 「事業」の問題と、「組織」の問題、さらにそれらの矛盾を両立・調和させようとするがゆえに発生する新たな問題。組織デザインはこの3種類の問題と向き合う必要がある。結論としてミナベは組織デザインを「組織構造と組織文化を絶えず変化・整合させることで、組織の探究(事業ケイパビリティの探究/ 組織アイデンティティの探究)を触発・循環させる営み」と定義する。
■組織デザインの「構造」
- 組織デザインが対象とする構造は、「事業構造」「組織構造」「業務構造」の3つがあり、この3つの構造の整合性が取れていることが重要だとミナベはいう。
- 社会に新たな価値を届けるために事業を多角化し、同時にそれらを戦略的にまとめ上げ求心力を高め、シナジーを生み出していくことが事業構造の命題である一方で、多角化した各部門はそれぞれのミッションに向けて個別最適化されやすく、サイロ化してしまう(=遠心力が生まれる)。そうした中では、この求心力と遠心力を振り子のように働かせ、組織に推進力を生み出く組織構造づくりが重要となる。
- この時のポイントとしてミナベは、それぞれの事業部に意思決定権を持たせて遠心力を生み出しつつ、その事業が社会にどう価値や影響を生み出していくのかを組織全体が話し合い、求心力もある程度保っていくような取り組みが効果的だと語る。
- 事業構造を確立させ、積極的に事業推進を行っていくことが組織として正しい姿であることは間違いない。ただし、それを支えている人に対する目線も忘れてはならない。ミナベは、その事業に連なる各業務を担う一人ひとりが、設定された業務や能力定義・評価のプロセスを通じて、伸ばしたい力を伸ばし、その人らしいキャリアを描けるような構造になっていることが大切だと語る。
- こうした組織目線の強い「事業構造」と、個人目線の強い「業務構造」を整合させるのが、「組織構造」の設計である。事業の発展と、それを支えるヒトやチームのアイデンティティの両方をとらえながら、常に最適な構造であり続けられるように、メンテンナスを行うことが重要となる。
- 続く後編では、今回の「構造」と対になる「文化」の設計について解説する。
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