組織の「矛盾」を手懐けるリーダーシップの最新知見

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約95分

3/12(土)に開催された『組織の「矛盾」を手懐けるリーダーシップの最新知見』のアーカイブ動画です。リーダーが意思決定を行う中で直面する「矛盾」といかに向き合い、創造性や成長につなげていくか。 ゲストに舘野泰一(立教大学経営学部准教授)さんを迎え、安斎勇樹(CULTIBASE編集長)と「矛盾」を活かしたリーダーシップのあり方について解説します。

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チャプター
00:11 イントロダクション
06:07 本日のテーマについて・チェックイン・登壇者自己紹介
11:37 現代のリーダーシップ理論の概要解説
23:08 これからのリーダーシップ論を捉える問題意識32:18 パラドックスとは何か?
53:18 組織論やリーダーシップ論における「矛盾(パラドックス)」の捉え方
01:05:07 パラドキシカル・リーダーシップとは何か?
01:12:35 パラドキシカル・リーダーシップの実践をめぐる最新知見
01:23:25 ラップアップ/今後のお知らせ

今週のポイント
・近年のリーダーシップ論は、オーセンティックリーダーシップやシェアドリーダーシップをはじめ、「自分らしさを活かした全員発揮のリーダーシップ」を特徴としたものが多い。しかし、それらはリーダーが「自分らしさ」や「一貫性」に縛られるという問題を孕んでいる。
・それに対し、「自分らしさ」や「一貫性」を脅かすような「矛盾」を受け入れるようなリーダーシップ論として「パラドキシカル・リーダーシップ」に注目したい。
・ハーバードビジネスレビュー(2016)では”Both/And Leadership”として、リーダーが「A or B」ではなく「A and B(両立)」と問うことの重要性を提唱している。パラドックスの「単独では論理的に見えるが、同時に適用すると不合理である」という特徴を活かし、それを問うことで、組織の複雑性・多様性を認識するレンズとしての役割を果たすことができるというわけだ。
・一方で、他の研究では、パラドキシカル・リーダーシップによりリーダーやその部下のパフォーマンスや創造性が損なわれるという指摘もされている。これらは特に、「矛盾」への耐性や思考(=パラドックス・マインドセット – 緊張を機会と捉え、それに立ち向かい、両立のための戦略を模索する姿勢)がない場合に見られる。
・では、パラドキシカル・リーダーシップを活かすための「パラドックスマインドセット」を身につけるためには何をすれば良いのか。レゴ社の組織改革に際して行われたアクション・リサーチでは、外部ファシリテーターの問いかけが、ミドルマネージャーが矛盾を乗り越えるのを助けた事例が示されており、他者の力も借りながらリフレーミングを促す問いかけをすることで、このようなマインドセットが養われる可能性が示唆されている。
・これらを踏まえると、パラドキシカル・リーダーシップは、組織全体の長期の目的や課題意識も踏まえ、個人やチームのレジリエンスにも気を配りながら実行していくことで、組織が「矛盾」を乗り越えるための効果を発揮する。
・今後の展望として、矛盾の負の部分を緩和し、リフレーミングの鍵となる「プレイフル」についても迫りたい。

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出演者

立教大学経営学部 准教授/株式会社MIMIGURIリサーチャー

1983年生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学後、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員、立教大学経営学部助教を経て、現職。博士(学際情報学)。専門はリーダーシップ教育。近著に『パラドックス思考 ─ 矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』『これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで(共著)』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

X(Twitter)noteVoicyhttp://yukianzai.com/

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