めまぐるしく変化する現代社会の中では、マネジメントの在り方の変革が求められています。一方で、組織の課題は「事業」「組織」「職場・チーム」などあらゆるレベルで発生しています。
個別の課題に対する”具体的なノウハウ”は多様に存在するものの、組織が対話を通して自社の課題を捉え、組織づくりを総合的に推進するには「羅針盤」が必要です。
CULTIBASEを運営する株式会社MIMIGURIでは、これからの時代に即した組織づくりを推進するための羅針盤として「Creative Cultivation Model(通称:CCM)」を提唱しています。
ヒトと組織に強い経営人材になるための『新時代の組織づくり』
全6回でお届けするシリーズ「CCM総合実践講座」では、このCCMを組織づくりに活用するための実践的なポイントを詳細に解説します。今回のテーマは、「組織づくりの基本原則」です。
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「組織づくりの基本原則[前編]|CCM総合実践講座」のチャプター
00:11 CCM(Creative Cultivation Model)の概要
03:30 「組織づくりの5原則」とは?
04:56 基本原則(1):マネジメントチームづくりを怠らない
20:08 基本原則(2):組織アイデンティティを軸にする
「組織づくりの基本原則[前編]|CCM総合実践講座」のポイント
- 前回までは、思想と理論を深堀りしたうえで、冒険的組織作りの羅針版となるCCM(Creative Cultivation Model)について、紐解いていてきた。今回からシリーズ「CCM総合実践講座」として、CCMを組織づくりに活用するためのポイントを解説する。初回となる今回は、「組織づくりの基本原則」をテーマに、前後編でお届けしていく。
- 基本原則(1)として、安斎は「マネジメントチームづくりを怠らない」をあげた。ここで語られるチームとは経営者にとっては経営チーム、部門長や現場リーダーにとってはリーダー同士、現場マネージャー同士のチームを指す。組織の規模に関わらず、経営チームは組織の縮図になっている。そのため、マネジメントチームをどう作るかが重要である。
- また、経営リーダー/マネージャー全員が自分の自己実現を諦めないことが、冒険的組織作りの鍵である。ミナベは、単にPLを追いかけるだけではなく、リーダー自身が心の底からパッションがわき上がってくるようなことと、社会的な要請、あるべき姿とを連動させることが大事だと指摘し、これによりメンバーやチームのモチベーションも上がるだろうと述べた。
- 続いて、基本原則(2)「組織アイデンティティを軸にする」が紹介された。CCMを実践していく際は、まずは経営は常に「何を得意とする、何者になっていこうとしているのか」のビジョンを探究し社内に向けて言語化し続けることが大事だと安斎は語る。組織アイデンティティと個々の自己実現が職場レベルで整合されることで、所属外のチームに対しても協力的になったり、役割外行動を主体的に行う等組織としての一体感やうねりが生じやすい。
- 一方で現在の組織アイデンティティとの整合性が高すぎると、現状維持の力学が強まり変革に抵抗したり、異質な他者を排除するリスクも高まると安斎は指摘する。そのため、組織のアイデンティティは変わっていくという前提で、日常的に変化のプロセスにメンバーを巻き込んでいくことが重要である。
- ミナベは、こうしたプロセスにおいては事業ケイパビリティの探究と組織アイデンティティの探究が混同されやすいと指摘する。経営陣が社会的価値を追求していく中でマーケットにおいてこのポジションを獲得する、というマーケット観点でのねらいと、我々らしさや何者であるかという定性的な観点は別で議論し、構造的に捉えていく必要があると締めくくった。