8/20(土)に開催された『「リーダーシップ教育の最前線」を俯瞰する』のアーカイブ動画です。ゲストは立教大学経営学部准教授・舘野泰一さん。舘野さんの連載「リーダーシップ教育の最前線」を振り返りながら、リーダーシップ教育の現在と未来を捉え直しました。
今週のポイント
・まず、近年のリーダーシップのエッセンスをお届けした第1回〜第4回(基本編)の内容を振り返った。
・次に、第5回目以降の内容(再構築編)を解説いただいた。再構築編では、基本編で提唱した内容に対する舘野さんの問題意識を、下図3視点から整理・深堀りしたと言う。
・まず「全員発揮」について。全員発揮のリーダーシップは、一歩間違えるとリーダーの責任逃れや、メンバーの好き勝手な振る舞いを引き起こしうる。
・これに対し舘野さんは、全員発揮のリーダーシップは権限を否定することではないと伝え、リーダーとメンバーの役割を下図の通り示した。さらに、全員発揮のリーダーシップを実現するには「組織理解」「他者理解」「自己理解」の3つが揃う必要があるのではないかと伝えた。
・次に「自分らしさ」について。舘野さんは、「自分らしさ」にこだわるあまり、自分が決めた枠に囚われてしまう危険性を指摘した。また、「自分らしさ」は状況に応じて変化するものだと認識した上で、どうしても「自分らしくなってしまう」部分を、遊び心を持ちながら探究することが重要だと伝えた。
・最後に「最小3要素」について。こうしたリーダーシップ行動のリストは分かりやすいものの、これらの行動を実行する際に自分軸が不可欠だと舘野さんは言う。
・さらに舘野さんは、Center for Creative Leadershipによる「学生のリーダーシップ発揮に必要な4つの要素」などを参照しながら、リーダーシップの発揮には「自分自身をリードできるようになる」ことに加え「他者を受容する」要素も重要ではないかと示唆した。
・今後の展開として、自分・他者・組織の矛盾を受容しながらリーダーシップを発揮する、パラドキシカル・リーダーシップや、プレイフルにリーダーシップを学ぶ方法について、思考の補助線となる理論をアップデートしたいと伝えた。
・また、「リーダーシップを発揮している自分=なりたい自分」である時、つい、人は学び始めるのではないかと述べた舘野さん。梯子を登るようにリーダーシップを獲得していく、いわば”リーダーシップ学習論”のような視点が、より一層重要になるのではないかとまとめた。
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