「創造的逸脱」のデザイン:イノベーションを育む組織の在り方を考える

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約94分

4/2(土)に開催された『「創造的逸脱」のデザイン:イノベーションを育む組織の在り方を考える』のアーカイブ動画です。イノベーションの種となる「逸脱(=既存の仕組みから外れた取り組み)」を組織としてどう受け止め、生かしていくのか。 ゲストに中央大学助教・高田直樹さんをお迎えし、「創造的逸脱のデザイン」を探究します。

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チャプター
00:11 イントロ・チェックイン
12:29 ゲスト自己紹介・本日のテーマについて
24:00 創造的逸脱とは何か
30:55 創造的逸脱が成果に繋がる条件
41:03 創造的逸脱は”グレーゾーン”から生まれる
51:05 イノベーターの”戦術”としての創造的逸脱
1:00:31 部署外のリソースを動員するポイント
01:12:15 創造的逸脱のマネジメント
01:27:05 ラップアップ・今後のイベントのご案内

今週のポイント
・新しいアイデアを提案しても、有用性や実現可能性を上司から指摘され、なかなか承認を得られない。また、十分な資源がないため、アイデアを実現して成果を示すこともできない。「創造的逸脱」が起こる背景には、こうしたジレンマが存在する。
・高田さんは創造的逸脱を、マネージャーの指示に背いて、正当ではない(承認されていない)形で新しいアイデアを追究すること」と説明する。では、逸脱者が障害を乗り越え、組織でイノベーションを生み出すには、どのような”戦術”が必要なのか。
・イノベーター視点では、創造的逸脱を成果に繋がえるためには、公式に進める部分と非公式に進める部分を見極め、使い分けることが肝要である。たとえば、あまりにも初期の段階で上司に情報共有してしまうと、計画が頓挫しかねない。しかし最終目標としての組織全体の成功も忘れてはならない。ある時点からは、情報を開示して周りを巻き込み、協力体制を築く必要がある。
・また部署外でアイデアの訴求力を高め、より広く多様な資源や権威者からの保護を募ることも有効である。
・他方で、マネージャーとして部下の創造的逸脱とどう向き合うと良いのだろうか。プラス面から見ると、創造的逸脱のおかげで低コストでイノベーションに繋がる探索活動が行える。マネージャーは、高い成果が見込めたアイデアだけに資源投資すれば良い。マイナス面としては、創造的逸脱によって、組織がそれまで築いてきた調整メカニズム(計画的な資源投資や協働体系)が破壊されてしまう点が挙げられる。また、逸脱者は、創造的逸脱へ傾倒すればするほど孤立してしまい、最終的に離職・転職に繋がるケースもある。
・ある調査では、マネージャーが創造的逸脱を「罰する/横取りする」といった対応をとると、創造的逸脱が挫かれるだけでなく、通常業務の創造性までもが損なわれることが明らかにされている。すなわち、創造的逸脱は、通常業務では果たせない「組織に貢献したい」「イノベーションを起こしたい」という欲求を満たす、ガス抜きとしての作用があるのではないかと考えられている。
・そもそも、創造的逸脱は個人の”泥臭い努力”に基づいている。そうした”努力”に依存しすぎず、組織として創造性を育みたいと思うならば、創造的逸脱を逸脱者からの”抵抗”のメッセージと捉え、組織のあり方を問い直すことが重要だ。彼らのメッセージを受け止め、イノベーションが起こりやすい組織を目指して改善を続けることが、マネージャーのあるべき姿と言えるだろう。

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出演者

株式会社MIMIGURI リサーチャー/ファシリテーター

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。立教大学大学院経営学研究科博士後期課程在籍。人と組織の学習・変容に興味を持ち、組織開発が集団の創造性発揮をもたらすプロセスについて研究を行っている。共著に『M&A後の組織・職場づくり入門:「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』がある。

中央大学商学部助教

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