3/4(土)に開催した「ヒトと組織が育つ制度とは?:人事マネジメントの暗黙知を探究する」のアーカイブ動画です。本イベントでは、講師に組織・人事コンサルタントの金田宏之さん(株式会社インプリメンティクス代表取締役)をゲストにお迎えし、創業者との人事制度づくりにおけるポイント、新規事業立ち上げ時の制度開発における勘所について伺いました。また、人事という仕事の面白さや、仕事との向き合い方、人事に求められる「リーダーシップの形」についても考えました。
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「ヒトと組織が育つ制度とは?:人事マネジメントの暗黙知を探究する」のチャプター
06:16 チェックイン:人事のひとってどんなイメージですか?
12:00 金田さんの自己紹介
17:16 プロジェクト①:中小企業での人事制度づくり
37:00 プロジェクト①のラップアップ
44:26 プロジェクト②:新規事業立ち上げ時の戦略人事
56:36 プロジェクト②のラップアップ
1:03:42 ディスカッション:人事の必要要件とは
1:16:50 根本・矢口のディスカッション
「ヒトと組織が育つ制度とは?:人事マネジメントの暗黙知を探究する」のポイント
- 前回1月15日に開催した「スタートアップのための人事制度設計論:拡大する組織に必要なHRの勘所とは?」では、組織の各フェーズにおける人事制度の勘所について語られた。今回はより具体的に、「中小企業での人事制度づくり」「新規事業立ち上げ時の人事制度づくり」に焦点を当て暗黙知を紐解く。
- まずはじめに、中小企業での人事制度の特徴として、大企業と比べてスピードが速いこと、創業者が優秀で人事制度の勘所を素早くキャッチアップし抑えることができる点をあげた。一方で、創業者は自分の考えや価値観にとらわれてしまい、創業者目線で人事制度をつくると現場に浸透しないという危険もあると金田は語る。
- そうした事態を避けるためには、創業者のこだわりが自身の価値観なのか会社として大事にしているバリューなのか客観的な視点を入れて切り分ける必要があると指摘する。人事として制度設計に関わる際には、創業者のウィルを汲み取りながらも、組織のメンバーはどう思うか、組織としてはどうあるべきかを冷静に考える姿勢が必要だと語った。
- 続いて新規事業立ち上げ時の人事制度づくりに話題は移った。金田は、人事制度は会社の戦略に基づき組織がきちっと動ける状態をつくるためのものであり、制度づくりには”事業戦略”と”現場業務”への深い理解が不可欠だと語る。
- では、どのような状態になれば深く理解していると言えるのだろうか?金田は、その職種の一連のワークフローやコミュニケーションのとり方、時間の使い方、競合企業との相違点を言語化できる状況が望ましいと語る。そのためには、現場の方と信頼関係をつくり、現場を巻き込んだ制度設計をつくるリーダーシップが必要になると述べた。
- 続いて人事の必要要件についてディスカッションが行われた。金田は多職種に比べ人事は褒められることが少ないと指摘し、人事は自分1人で成果を出すというより、組織全体が動くことで成果になるリーダーシップの影響力を楽しめるとよいのではないかと語った。
- 最後に今回の話題提供を受け、根本は自分が取り組んでいることがその取り組みのゴールだけではなく、周辺や組織全体にどういう影響を及ぼしたいか、という視点を持つことが人事職に限らず重要なのではないかと締めくくった。