スタートアップのための人事制度設計論:拡大する組織に必要なHRの勘所とは?

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約95分

1/15(土)に開催した「スタートアップのための人事制度設計論:拡大する組織に必要なHRの勘所とは?」のアーカイブ動画です。本イベントでは、講師に組織・人事コンサルタントの金田宏之さん(株式会社インプリメンティクス代表取締役)をゲストにお迎えし、人事制度の目的や制度導入するタイミング、そしてその過程において注視すべきポイントなど、企業成長段階に伴う制度設計の実践知について解説いただきました。

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「スタートアップのための人事制度設計論:拡大する組織に必要なHRの勘所とは?」のチャプター

0:11 CULTIBASE Labの紹介
07:43 チェックイン
13:30 金田さんの経歴紹介
18:03 人事制度とは?HRに関する10のテーマと50の領域
21:56 人事制度の目的
26:25 人事制度の導入を検討するタイミング
32:00 グレイナーの企業成長モデル
37:14 第一段階(~50名)の勘所
47:25第二段階(~100名)の勘所
01:02:10 第三段階(~300名)の勘所
01:11:31 第四段階(~1000名)の勘所
01:21:03 第五段階(1000~名)の勘所

「スタートアップのための人事制度設計論:拡大する組織に必要なHRの勘所とは?」のポイント

  • 組織・人事コンサルタントとして、大規模組織からスタートアップまで多様な組織の制度設計に携わる金田は、「人事制度」という言葉の認識が人によってずれが生じがちだと述べる。ここでは人事制度設計のスコープとして「等級制度」「評価制度」「報酬制度」といったシステムの設計について扱う。
  • 人事制度全般に関する課題として、「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の設計あるいは運用そのものが目的化してしまい、上手く活用できないことがあげられる。金田は人事制度の目的として「①リソースの最適配分の実現」「②指針を示して成長を促す」の2点をあげる。
  • 「①リソースの最適配分の実現」とは、個人の活躍/貢献に応じて報酬を適正に決定することであり、限られた資金を上手く配分する必要のあるスタートアップは特にフェアに報酬決定を行うための仕組みが必要だと語る。また、等級制度を設けてキャリアステップを示したりバリューと評価制度を紐付けることで個人の成長と会社としての期待の方向性を揃え「②指針を示して成長を促す」ことが可能になると言う。
  • では、人事制度導入はどのタイミングで検討すべきなのだろうか?金田は、PMF(プロダクトマーケットフィット)が感じられ採用のアクセルを踏むタイミングと、チームが10名程度になったタイミングをベンチマークとして示し、今後事業の方向性がある程度固まり、また小さなチームのうちに制度の運用を始められるとベターだと述べた。
  • 続いて金田は、ラリー・E・グレイナーの5段階企業成長モデル沿って各フェーズでの人事制度の勘所について述べた。第一段階では、人事制度を設計しても運用できないといった課題が出てきがちだと語り、制度を作り込みすぎず職種別の等級要件と報酬レンジを用意し評価は全等級同じ基準で行うことでチームワークを阻害しないことが重要だと主張した。
  • 第二段階は、マネージャーが増えその評価者も増やすタイミングだが、評価経験の有無で質にばらつきが出ると語る。そこで人事として、評価の背景を文書化し前提を擦り合わせる必要があると述べた。また、人事側のリソースが不足し運用が回らなくなるケースも散見されるため目安としてメンバー20人に対して人事を1人置けると良いと語った。
  • 第三段階になると、企業の知名度が上がりハイレイヤーのタレントを採用できるようになる一方、年収水準が高く既存メンバーとの給与ギャップが生じることもあると述べ、コアタレント全体の報酬調整を行う必要があると述べた。また、ミスマッチ人材のアウトフロー整備や運用スペシャリストのアサインについても触れた。
  • 第四段階では、社員人数の増加に伴い個別対応が多く生じると述べ、全てを人事で中央管理せず現場での柔軟な対処も求められると述べる。また、上位階層リーダーへの評価が形骸化してしまう恐れがあるため、360度フィードバックも検討すると良いと述べた。
  • 1000人を超える第五段階以降となると、人事単独で全員を把握することが難しくなるため、部門で人事マネジメントができる状態をつくる必要がある。組織成長の過程で制度設計や制度改善、運用を行った経験を経て能力を上げた人を部門で起用できる状態が理想だと語った。
  • 最後に、人事制度設計に当たって人事の専門性の高さと失敗のしづらさを強調し、各フェーズの特徴を理解した上で次のフェーズに向けて何が必要かを逆算しつつ、計画的に進めていくことが大事だと締め括った。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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