CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの97回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「300-1000名規模のベンチャー企業の組織開発の勘所」をテーマにディスカッションしました。
- 大企業のみならず、スタートアップやベンチャーでも、組織開発に力を入れる企業が増えてきている。ただし、組織規模の変化に応じて、組織開発のアプローチも変えていく必要があるとミナベは言う。例えば、数十人規模であれば、ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー・クレドを明確に言語化し、全員に熱量を伝播させることで組織開発を成功させる組織も多い。
- しかし、300-1000名規模となると事情が異なってくる。まず第一に、人数規模の増大により、全員が一同に介する場を設けることが難しくなる。
- さらにミナベは、組織規模の増大に伴い、組織開発の中で向き合う「わからなさ」の種類が変わってくると指摘する。数十人規模の組織であれば、マイルストンのタイムラインは数ヶ月や1年程度の短期間である場合が多い。そのため、「結果を出せるかわからないが、とにかくやりきる」ことが求められる。しかし、300-1000名規模となると、マイルストンのタイムラインも5年後や10年後を見据えなければならなくなる。その結果、「未来は曖昧でわからなさを多々抱えながらも、着実に前進していく」ことが求められるようになる。
- さらに大企業の場合はどうなのだろうか。安斎は、大企業の組織開発では、まずは固まった課題をほぐし、熱量を伝播できる状態をつくることが重要だと言う。また、大企業であればマネージャーが数千人いるため、マネージャー同士の結束を固め、団結力を生みだしていくことは難しい。
- それに対して、300-1000名規模のベンチャー精神の強い企業であれば、マネージャーは人数が多すぎるわけでもなく、また、熟達の度合いも多様である。そうした状況下では、マネージャー同士が悩みを共有しやすく、横の繋がりが強固になる。
- 一方でただ横並びに繋がるだけでは、組織に大きな変化を生むことは難しいと安斎は指摘する。そこで重要になるのが、熱量を生むストーリーを語れる「ストーリーテラー」の存在である。
- 数十人規模の組織であれば、CEOやCxOがその役割を担うことができるが、300-1000名規模になると、マネージャーにもストーリーの語り部であることが求められる。
- そうした点から、300-1000名規模の組織は、組織規模の拡大を見据えた上で、数十人規模の組織のうちから、CEOやCxOが語るストーリーを、自分なりの言葉で語りなおせるマネージャーやリーダーを育てておく必要があるのではないかと安斎は提案する。
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現代組織におけるマネジメントの役割を捉え直す:マネージャーが向き合う4つの命題が生む矛盾とは?
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