少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(5)緋村剣心に寄り添う「ケア型」マネジメントの勘所|CULTIBASE Radio|Management #124

少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(5)緋村剣心に寄り添う「ケア型」マネジメントの勘所|CULTIBASE Radio|Management #124

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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの124回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(5)緋村剣心に寄り添う「ケア型」マネジメントの勘所」というテーマでディスカッションしました。

『少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(5)緋村剣心に寄り添う「ケア型」マネジメントの勘所』の概要

  • 少年漫画の主人公、キャラクターから経営リーダーシップの発達を探る企画の5回目である今回は、るろうに剣心の緋村剣心にフォーカスし、育成に寄り添うための方法を探る。
  • 前回は、孫悟空の戦闘力依存のリーダーシップに対して、メンバーの多様な強みに思いをはせる問いかけやコーチングを通して育成支援できるのではないかとの結論が得られた。
  • 強い人にしか興味がなかった悟空に比べ、剣心は弱い人への優しさを持つサーバント・リーダーシップを持つとミナベは語る。しかし、人を強い/弱いで測る強弱のレンズからは抜け出せておらず、仲間との間でフォローする/フォローされるという二項対立が生じるという課題がある。(※ 詳しくは、少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(3)弱きを守る緋村剣心の発達課題|CULTIBASE Radio|Management #122 をご視聴ください)
  • また、加えて剣心は自分の痛みに対してかなり鈍感で、自己犠牲の上で成り立っているとミナベは指摘する。経営者も同様に「みんなの仕事は私がやるよ」「代わりに帰っていいんだよ」といった自己犠牲的なふるまいに陥りがちで、一見美談のようにも見えるが、無理して成り立っており組織として息苦しい状態だと語る。
  • 安斎は、剣心は悟空以上にいろいろな経験をし考えた結果たどり着いた人格のため、慎重に関係性を築かないと拒絶され傷つけてしまう可能性もあると語る。殻に閉じこもってしまう危うさを持った剣心に対し、踏み込みすぎずに一定の距離を保った上で心配しケアしようとするヒロインの神谷薫のスタンスがベストなのではないかと指摘する。
  • コーチングをするとしたら、短期でマインドチェンジをさせようとするよりも、あなた自身にも幸せになってほしいということをちゃんと伝えてあげることが重要だと安斎は語る。特に剣心は時代の過渡期で、自身の過去とアイデンティティの矛盾に悩むパラドキシカルな存在で、本人がうっすら気付いてるが言語化しないようにしている本人の矛盾をやんわり言語化支援するのが重要なのではないかと指摘した。
  • 剣心に限らず、多くの人間は根底に自分が気付いてない感情の矛盾がある。感情の矛盾を上手く受け入れられないとコンプレックスが発動したり、マネジメントエラーが生じるといった可能性もある。こうした矛盾を見つけ出し、手懐けるための思考法についてより深く知りたい方は、3月1日発売の安斎勇樹と舘野泰一による最新刊『パラドックス思考:矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』(ダイヤモンド社)をぜひご一読ください。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

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