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チャプター
00:11 イントロダクション(本日のテーマ&ゲスト紹介)
10:18 ジョブ・クラフティングとは何か?
35:00 ジョブ・クラフティングが注目される背景
39:31 ジョブ・クラフティング研究の基本モデルと注目トピック
54:38 ジョブ・クラフティングのマネジメント
01:07:18 質疑応答・ディスカッション
01:26:18 各種お知らせ
<今週のポイント>
・ジョブ・クラフティング(以下、JC)はCULTIBASEが掲げる「Creative Cultivation Model」の最下層に位置する「個人」にアプローチする理論である。そのため、JCを学びながら、個人の「やりがい」をどのように上層の「チーム」や「組織」に接続していくか? という点がポイントになる。
・JCは「働く人たち一人ひとりが、主体的に仕事や職場の人間関係に変化を加えることで、与えられた職務から自らの仕事の経験を創り上げていくこと」と定義される。「(与えられた)仕事の中に『自分』をひと匙入れる」イメージで、仕事に自分なりの手触り感を創る(クラフトする)上で有効な考え方である。
・従来の「ジョブ・デザイン」がマネジャーが従業員の内発的動機づけを創り出す考え方だったのに対し、「ジョブ・クラフティング」の場合は、あくまで従業員の主観的側面に着目し、従業員が能動的に自身の仕事の経験を創り上げていくことに特徴がある。この点は上司主体でやりがいを与える「やりがい搾取」との違いを理解する上でも重要なポイントとなる。
・JCの種類としては、「業務自体のクラフティング」「関係性のクラフティング」「仕事の捉え方のクラフティング」の3つがある。
・JCが注目される背景としては、働き方改革の推進やコロナ禍への対策が求められる中での「自律的な働き方への期待」や「コミュニケーションの希薄」などが挙げられる。その結果、組織レベルでは「社会全体で変化に強いマネジメント力の強化」が、個人レベルでは「働きがいのセルフ・プロデュース力の向上」が求められる状況が発生している。JCは、後者の個人レベルの課題意識に対する効果的なアプローチとして位置づけられている。
・JCの最新の研究トレンドとしては「効果」か「影響要因」のどちらかに着目したものが主流となっている。また、研究の切り口となるトピックとして、「動機の志向性」「周囲との影響関係」「きかっけとしての組織外の活動」の3つが挙げられる。
・マネージャーがメンバーにJCの実践を促す上では、良い効果の促進と同時に、悪い影響を最小化するマネジメントが重要となる。促進する上では、まず「主体性を尊重する」や「影響要因を変化させる」ことが基本姿勢として求められる。
・他方で、JCを促進させる溜飲店として、まず個人レベルでは、自律性が高まることがストレスの増大や、労働強化に繋がったり、独りよがりな「自分ごと化」が属人化や特定の人間を回避する行動を起こすなどが挙げられる。
・また、チームレベルでの実践上の留意点として、一人ひとりがJCを積極的に行った結果、その影響が他者に負担を強いてしまったり、組織としての一貫性を欠いてしまったりするケースがある。
・これらを踏まえた上で、JCをマネジメントする上では、個人のJC実践がオープンになる職場風土を醸成し、集団のミッションやビジョンと照らし合わせながら、個々のJCの範囲や是非の判断軸を形成していく点がポイントとなる。
高尾義明先生(東京都立大学大学院 経営学研究科経営学専攻教授)をゲストにお招きし、「働く人たち一人ひとりが、主体的に仕事や職場の人間関係に変化を加えることで、与えられた職務から自らの仕事の経験を創り上げていくこと」と定義される「ジョブ・クラフティング」について、定義から最新の研究事例まで丁寧にレクチャーしていただきました。
比較的新しい概念であるため、「ジョブ・クラフティング」という言葉を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、「個人の主体性の発揮」にアプローチするジョブ・クラフティングの考え方は、CULTIBASEが大事にする「個人の衝動を起点とした創造的な組織づくり」について理解を深める上で、非常に重要な示唆を与えてくれます。特にイベントの後半の「ジョブ・クラフティングのマネジメント」の項目では、ジョブ・クラフティングがチームにどのような影響をもたらすのか、メリットだけではなくデメリットについても丁寧に解説されており、思わず襟を正したくなるような内容が語られていたことが印象的でした。
今回のイベントに関連して、「個人の主体性の発揮をいかに促すか?」や「個人の主体性をいかにチーム・組織の力として活かしていくか?」といった問いについて理解を深めたい方は、きっと下記のコンテンツも参考になるはずです。ぜひ気になるコンテンツからご覧ください。