少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(8)ドラえもんの覚醒条件|CULTIBASE Radio|Management #127

少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(8)ドラえもんの覚醒条件|CULTIBASE Radio|Management #127

/約32分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの127回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(8)ドラえもんの覚醒条件」というテーマでディスカッションしました。

『少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(8)ドラえもんの覚醒条件』の概要

  • 少年漫画の主人公、キャラクターから経営リーダーシップの発達を探る企画、5人目の今回は「ドラえもん」にフォーカスした。
  • ドラえもんのストーリーとして、のび太が学校生活で起こす交友関係上の問題を解決すべく、ドラえもんがひみつ道具をのび太に渡し様々な失敗を積み重ね最後にリフレクションして教訓を得るというパターンがよくある。これはまさに経験学習だとミナベは指摘する。
  • 実はドラえもんは「特定意志薄弱児童監視指導員」という肩書を持ち、のび太の変容を促すというミッションを持って未来から送られて来たという設定がある。ドラえもんはのび太にひみつ道具というオポチュニティを提供し失敗や成功をリフレクションさせ成長変容をコーチングする優れた育成者だとミナベは語る。
  • また、映画版のドラえもんは、通常のアニメ版と異なり問題状況をみんなに語ったりメンバーをチアアップするなど、ファシリテーター的な振る舞いを行うと指摘する。映画版のドラえもんはのび太の経験学習だけじゃなく、ジャイアンやスネ夫や静ちゃんの支援も行い、のび太自身も道具に頼るだけでなく課題にステップインすることができているのである。
  • こうしたドラえもんの試みは、ハレの組織開発とケの組織開発をうまく使い分けることができていると安斎は指摘する。このようにドラえもんは優れた知識や技術を持ち、それを経験学習的に機会を渡し、自分自身もファシリテーターとなって全員集めてミッションを語ったりエンパワメントしたりと、超お手本的なリーダーシップを持つとミナベは語る。
  • 一方、ドラえもんの課題として、素敵なリーダーシップで共感するものの超常現象すぎて距離を感じてしまうというのがあると指摘する。
  • 加えてドラえもんの世界観は完成されきっており、そこにどんな哲学や倫理感があるのかを問えていないことが課題だと主張する。人間社会にいる良さはなんなのだろうか、ということをちゃんと問いを立てながら考えて前進をさせていく姿勢が必要で、人類としてこれからはこうあるべきじゃないかということを提言し新しい倫理観を打ち立てていかないと、人間社会の幸福は停滞するだろうと述べた。
  • 安斎は、特定の組織を任せその干渉範囲内で人材育成や組織開発を頼むととても安定的にやってくれそうなイメージは湧くものの、経営をもし担うとしたらどういうその社会をともにつくっていきたいのか、多様な経営チームとしてのコミット意思がないと厳しいのではないかと述べる。ドラえもんに対してはアンラーニングと学習を重ねながら共にチームを作れるのか、といったフィードバックや問いかけをするだろうと締めくくった。

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出演者

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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