CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの125回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(6)“主人公の壁“を越える、アイドル型のリーダーシップ」というテーマでディスカッションしました。
『少年漫画から学ぶ、経営リーダーの成長段階(6)“主人公の壁“を越える、アイドル型のリーダーシップ』の概要
- 少年漫画の主人公、キャラクターから経営リーダーシップの発達を探る企画、4人目の今回はダイの大冒険「ポップ」にフォーカスし、第四段階目の変容としてアイドル型のリーダーシップを提唱した。
- 今回注目するポップは、ダイの大冒険の主人公である勇者ダイの相棒であり魔法使いである。
- 第一段階のポップは弱虫キャラの代表格であり、悟空のリーダーシップでいうところの一番目指し方の一番になれない人のポジションだったと語る。敵が来ると仲間を置いて逃げていた彼が、弱いながらも勇気を振り絞り中ボスキャラであるクロコダインに立ち向かえるようになったのが一つ目の成長だという。
- ポップが二つ目の変容を迎えるポイントとしては、ダイをパーティーから失った後、仲間を危険に晒さないよう自己犠牲的に敵を倒しに行くシーンだとみなべは語る。自分の命を投げ打つ呪文メガンテを使おうとする点は、まさに緋村剣心が体現していたサーバントリーダーシップにあたる。
- 第三段階として、こうした自己犠牲的な態度をみかねた師匠マトリフは、対抗学習的に最強呪文であるメトローワンを教えることで魔法使いとしてのアイデンティティを確立させた。安斎はこの時のポップは、精神的には悟空フレームから剣心フレームに変容していたものの、悟空フレームの世界観の課題を置き去りにしていたと指摘する。
- 現実の組織においても、プレイヤー時代の課題を克服しないままマネージャーに抜擢され、自信のなさを拭えず労働量で担保したり自己犠牲精神でリカバーしてしまうケースがみられる。そのため、マネージャーの熟達においてもあえてプレイングとマネージメントをセットで行い職能の自信をつくる方がステージを進めやすくなることもあるとミナベは指摘する。
- さらにポップは四段階目の変容を迎える。他の仲間5人で力を合わせたら光る魔法陣を、ポップだけが光らせられず自信の才能が無いと落ち込んでしまう。こうした自己認知を仲間に開示できず絶望していたが、改めて仲間と対話し自己開示できるようになり、その結果自己変容に繋がった。
- ミナベは、リーダーは人より優れているから人を引っ張れる、という呪縛的なものがつきまとうために自分の弱みを開示できないことがあると主張する。しかし弱さを開きながら互いに協力することで解決し合える状態をつくることがオーセンティックリーダーシップでありシェアドリーダーシップであると語る。
- 最近のアイドルもポップ同様に完璧すぎず、弱さや葛藤してることも開示することでファンの心をつかんでいると語る。このようにありのままの自分を周りに開き、強さを持ちつつも弱さで愛されるリーダー像をグループアイドル型と定義されるのではないかとミナベは語った。
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