CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの98回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「事業ビジョンにチームの求心力を持たせるマネジメントのコツ」をテーマにディスカッションしました。(後編はこちら)
- 今回は「事業として中長期にどこを目指すか」を示す、事業ビジョンについて扱っていく。事業ビジョンのマネジメントに問題が発生するケースとして、事業ビジョンを聞いたメンバーが戦略を理解できない場合と、戦略は理解できるが気持ちが乗らない場合があると、ミナベは指摘する。事業ビジョンが求心力を持ち続けるために、どんなコツがあるのだろうか。
- 安斎は、数値的な結果のみを見せられても、メンバーの気持ちは乗りづらいと言う。それに同調してミナベは、数値的な結果に至るために、どんな課題解決に挑むのか、また、どんな意味や情熱が感じられそうなのかに、メンバーの興奮の度合いは左右されると語る。
- では、どう対処すればいいのだろうか。安斎は、達成できるかできないかギリギリの事業ビジョンを示すことにコツがあるのだと言う。それを裏づけるように、ミナベは、うまくいっている事業ビジョンの共通点として、抽象的なものと具体的なものの2種類のビジョンのバランスが取れていることを挙げる。すなわち、社会にどう貢献するかの恒久的で抽象的な事業ビジョンがまずあり、その下に何年までにどんな状態を達成するかの期限つきで具体的な事業ビジョンが掲げられていることが多いのだ。恒久的で抽象的な事業ビジョンを見据えつつ、期限つきで具体的な事業ビジョンをストレッチな指標として設定することで、個々人やチームのポテンシャルを引き出していく効果が見込めるのだと言う。
- さらに、事業ビジョンを表現する上で、アナロジーやメタファーの活用にもコツがあると安斎は語る。アナロジーによってイメージが浮かびなることで、定量的な目標に定性的な意味がつき、気持ちが乗りやすくなるのだ。
- 重ねて、事業ビジョン内で用いられる言葉を、日常使用可能な共通言語に繋げることにもコツがある。ミナベはよくある悪例として、行動指針寄りのバリューやクレドに基づいた言語が作られがちであることを指摘する。行動寄りの言葉に偏りすぎず、事業ビジョンを日常的にイメージし続けられるような、一般的な言語になっていることが重要なポイントとして挙げられる。
- 安斎は具体的な対処として、ハレとケの両方を使い分け、定期的に行動を事業ビジョンに繋げるマネジメントを行う必要があるのだと言う。またミナベは恒久的で抽象的な事業ビジョンに熱量が高い状態を維持しつつ、その熱量が切れないように、ビジョンに向かう過程に個々人の意味づけをし、ブラッシュアップし続けることが重要なのではないだろうかと述べる。
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