『よいプロジェクトに「複雑性」が不可欠な理由とその活かし方』の概要
CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio Failitationの42回目では、渡邉貴大(株式会社MIMIGURI Facilitator)と明間隆(株式会社MIMIGURI Experience Designer)が、ゲストに米山知宏さん(株式会社コパイロツト Project Enablement事業責任者)をお迎えし、『よいプロジェクトに「複雑性」が不可欠な理由とその活かし方』をテーマにディスカッションしました。
前編はこちら
- 前回に引き続き、株式会社コパイロツト・米山知宏さんをゲストにお迎えし、株式会社MIMIGURI・明間隆ともに、プロジェクトマネジメント(PM)におけるファシリテーションの実践知に迫っていく。
- 前回、PMを行う上で、時にはあえて複雑性を増やしていくことも重要だという示唆が得られた。今回はその意義やどのようにそれが行なわれているのかといって点について深堀りしていく。
- 明間は過去の経験から、複雑性を過度になくそうとしすぎることによる弊害について語る。たとえ期日通りに納品できたとしても、プロジェクトメンバーの成長や、プロジェクトの意義が感じにくく、残るものが少なかったことや、メンバーの主体性がなくなっていく様子が、マネージャーとして辛かったと話す。
- また米山さんは、複雑性を増やす意図について、「失敗するリスクを軽減したい」からだと述べる。プロジェクトをより良いものしていく上では、最初に決めた道が合ったとしても、それが間違っている可能性を考慮することが大切だと言う。現時点で見えていないものを見つめ、量・質の両方において異なる情報を得るほうが、たとえ一時的なカオスに陥ったとしても、最終的には失敗がしにくくなると語る。
- それらの意見をまとめるかたちで、渡邉は複雑性を過度に抑制することはコラボレーションの機会の減退を招くのではないかと指摘する。各人の役割や責任範囲に閉じることなく、それぞれの因子を交換することで、集団がともに解決に向かう有機的なプロジェクトになっていく。
- 加えて米山さんは、プロジェクトの最中に「そもそもこれで良かったんでしたっけ?」といった発言が出るかどうかを、よいプロジェクトの目安の一つに挙げる。そのためには前提として良好な関係があることが求められ、理想的には早い段階から、良い意味でゴールや共通の認識を疑うような機会をつくれるとよいのではないかと語る。
- また明間は特に実際にアウトプットをつくる“ものづくり”においては、役割や責任範囲をあまりにも明確に分割しすぎると、本音が言いづらくなる側面があると述べる。一人ひとりの視点が自分の責任を果たすことに閉じてしまい、信頼関係の構築がしづらくなるというのだ。
- こうした状況に陥るためには“分けつつ、分けすぎない”関係性が重要だと語られる一方で、そのためにどんな姿勢が求められるか。渡邉は、CULTIBASE内で述べられるファシリテーションの4原則(協同性・民主性・非日常性・実験性)について触れながら、問題を「個人」に帰属させるのではなく、「みんな」でまなざしていくことや、最終的に失敗で終わらないように、プロセスの中で小さな失敗を積み重ねていくことが重要だと述べる。
参考:
ファシリテーションの鍛え方:創造的対話を支えるコアスキルの体系
- 米山さんは、て今後深めていきたい観点として、「PMにおける時間の捉え方」を挙げる。組織運営・プロジェクト・ミーティングなど、様々な時間軸の活動にコミットするPMがどのように時間を捉えているのか。また後日語り合うことを約束して、この日の収録を終えた。
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