6/12(土)に開催されたイベント「ファシリテーションの鍛え方:創造的対話を支えるコアスキルの体系」のアーカイブ動画です。集団知の創発を促す「創造的対話」を生み出すために、ファシリテーターは何をポイントとして意識し、どんな力を磨くべきなのでしょうか。今回のイベントでは、株式会社MIMIGURIに所属するファシリテーター・和泉と渡邉による話題提供とディスカッションを通して、「創造的対話」を生み出すためのスキルを探究しました。
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チャプター
00:11 イントロダクション(イベントの趣旨・登壇者紹介)
12:32 CULTIBASEにおけるファシリテーションの位置づけ
29:28 ファシリテーションのコアスキル
57:18 パネルディスカッション:コアスキルのアップデートを検討する
01:26:36 チェックアウト
<今週のポイント>
・今回のイベントではファシリテーターを「人と人の関係性を結び、互いのコミュニケーションを容易にしつつ、集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習など、あらゆる知識創造活動を支援し、目的達成を促進していく人」と定義している。
・ファシリテーションには「領域」「場面」「目標」の3つにおいて、無数に変数が存在する。ファシリテーターの役割は、それらの変数に応じて「問い」や「学習環境」、「振る舞い・働きかけ」をデザインしていくことだと言える。
・ファシリテーターの基本姿勢として、「非日常性」「協同性」「民主性」「実験性」の4つの要素を大事にすることが挙げられ、また、自分自身のタイプに合った振る舞いを洗練させていくことが実力を伸ばしていく上での近道である。
・ただし、どんなタイプのファシリテーターにとっても重要なコアスキルも存在し、CULTIBASEではそのコアスキルを「説明力」「場の観察力」「即興力」「情報編集力」「リフレーミング力」「場のホールド力」の6つだと暫定的に定義している。
・これらのコアスキルはどのような順番で発揮されるのか。渡邉は、まず「説明力」を起点として、「場の観察力」をInput(認知)、「即興力」「情報編集力」「リフレーミング力」をOutput(働きかけ)、「場のホールド力」をOutcome(結果)の順番で発揮されるプロセスを図式化した仮説を提唱。
・さらに、エドガー・シャインのORJIモデルを援用し、Throughput(処理・加工)として「判断力」も新たにコアスキルに加えることで、「観察」「判断」「即興」の循環によって、徐々に場がホールドされていくのではないか、と結論づけた。
・どのコアスキルを最初に鍛えるべきか。渡邉は「説明力」、和泉は「観察力」だと考え、意見が割れている。こうした主張の差異は、発揮するスキルの順番から鍛えるか、土台となるスキルから鍛えるかの違いによるものと推察される。自分なりの経験やファシリテーション観、得意不得意を考えながら、鍛え方をデザインしていくことが求められる。
ボトムアップ型の組織づくりの重要性が叫ばれる昨今、メンバー間のコミュニケーションを促進するための方法論として、「対話」や「ファシリテーション」といった言葉も広く知られるところとなりました。現在ではマネージャーの必須スキルの一つにファシリテーション能力を挙げる企業も少なくありません。ファシリテーションを一部のエキスパートだけが使える専門技能として捉えるのではなく、そのエッセンスをマネジメントなどの近接領域で部分的に活用しようとする動きもにわかに広がりつつあります。
学生時代に飲食のアルバイトで鍛えた皿洗いの技術は普段の生活にも活かされますし、ネットゲームで鍛えたタイピングスキルは会社の書類作成でも発揮されます。これらと同様に、ファシリテーションを他の領域に応用させていくためには、まずはその行為が生み出す価値を根底で支えている「コアスキル」が何かを捉え、取り入れていくことが重要です。
今回のイベントでは、「ファシリテーションのコアスキル」を主なテーマとして扱い、その発揮のメカニズムや鍛え方について考察を深めています。一見するとファシリテーターの専門家を目指す人のためのコンテンツに思えるかもしれませんが、これらのコアスキルについて思考し、理解を深めることは、ファシリテーションのエッセンスを何かのかたちで自分の業務に取り入れたいと考えている方にとっても、良い学びのきっかけとなると考えています。はじめはファシリテーションの基礎知識から丁寧に解説しているため、初学者の方でも安心してご視聴いただけます。ぜひ気になるチャプターからご覧ください。