10/9(土)に開催された「“PMの暗黙知”を解き明かす:プロジェクトを推進させるファシリテーション」のアーカイブ動画です。
資料
当日資料
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チャプター
00:11 イントロダクション(登壇者紹介、チェックイン、本日のねらい)
10:46 プロジェクトマネジメントとは何か?
19:20 プロジェクトマネジメントのこれまで
29:29 プロジェクトマネジメントのいま
46:08 プロジェクトマネジメントのこれから
59:40 質疑応答(1)
01:03:57 パネルディスカッション:「プロジェクトファシリテーション」の輪郭を掴むための4つの問い
01:25:11 各種お知らせ・質疑応答(2)
<今週のポイント>
・プロジェクトとは「独自の目的・目標が設定され、それを期限までに達成させる一連の活動」と定義される。また、仕事だけでなく、受験勉強や冠婚葬祭などもその一例といえる。
・CULTIBASEによる「ファシリテーションの階層整理」の中では、プロジェクトは変革のインパクトは大きいが、多様なケイパビリティとリソースを要する「大規模」な活動の一つに位置づけられている。
・「(1)目標設定」「(2)計画」「(3)実行」がプロジェクトマネジメントの一連の流れであり、各人の活動や課題を可視化し、シミュレーションすることで、物理的・心理的障害を取り除いていくことが主な目的となる。
・プロジェクトでは、「目的・目標達成にこだわる思考」が求められる。これはプロジェクトマネージャーだけでなく、関係するメンバーのひとりが持っている必要のある基本的な姿勢とも言える。
・これまでプロジェクトマネジメントの手法は、システム開発(IT)や製造業などのものづくり分野を中心に実践されてきた。こうしたものづくり領域でのプロジェクトマネジメントのガイドブックとして「PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)ガイド」という本がある。
・「PMBOKガイド」は今年、従来から大きく内容が変更された第7版(英語版)が刊行された。第6版までは「アウトプット管理」の考え方を基盤として、「フレーム化されたプロセス」を重視していたが、第7版からは、作り上げるものの価値を市場や環境の状況に応じて見直し続ける「価値創出」や、細かなプロセスよりもそのベースとなるプリンシプル(原則)を大切にする「目的重視」の考え方にシフトするなどの改訂がみられた。
・改訂の背景には、不確実で社会的な変化の激しい時代の到来が挙げられる。正解のない・予測が立てづらい状況を迎える中で、どのようにプロジェクトの目的を達成するのかが、これからのPMに求められる新たな能力だと考えられ始めている。
・こうした新たなPMの実践知を探り出すため、栄前田は株式会社ゆめみのリブランディングプロジェクトを例に挙げる。また、ゆめみのプロジェクトにおいて、根本の「場の観察を活かしたプロセス設計」や「アジェンダ設計」などに暗黙知があるのではないかと栄前田。それに対して根本は、その中で意識していたポイントを解説する。
・プロジェクトマネジメントはこれからどうなっていくのか。根本と栄前田はこの点について「プロダクトマネジメントの台頭」と「ものづくりから仕組みや組織づくり」、「プロジェクトマネジメントの幅の拡大」の3点を掲げる。また、このうち最後の「プロジェクトマネジメントの幅の拡大」に関して、より創造性が必要なプロジェクトに対処するためのスキルとしてファシリテーションが求められるのではないかと仮説を展開。
・根本はこうしたファシリテーションのスキルを活用したプロジェクトマネジメントのあり方として「プロジェクトファシリテーション」という言葉を掲げ、その輪郭を言語化していくことが重要ではないかと語る。また、ロジェクトファシリテーションの実践知は、CULTIBASEが提唱するCreative Clutivation Model(CCM)を実践する上でも重要だと考えられる。
・プロジェクトファシリテーションの輪郭を掴むための4つの問いに答えるかたちで、「折衷案を模索する振る舞い方」や、「ミクロな逸脱は制御しながら、マクロの逸脱を収束した時にインパクト拡大のために活かすこと」、「観察力の重要性」、「プロジェクトファシリテーションは、言うならば“潮目を読む”ような感覚」などの観点について根本から語られた。
・またその他にも、「プロジェクトのルールをどう捉えるか?」や「議事録係などのミーティングの役割分担について」などについて、幅広い議論が展開された。
『VUCAの時代』と呼ばれる不確実性の高い時代が到来する中で、プロジェクトマネジメント(PM)のあり方はどのように変化し、また、どう対処すべきなのでしょうか。本イベントでは、MIMIGURIで様々なプロジェクトを牽引する根本紘利と、栄前田勝太郎が初登壇。プロジェクトマネジメントの基本知識や歴史的な変遷を「これまで・今・これから」の3つの観点から捉えるとともに、これからのプロジェクトマネージャーに求められる「ファシリテーションを活用したPMのあり方」について、ディスカッション形式で理解を深めていきました。
プロジェクトマネージャーにしろ、ファシリテーターにしろ、多くの場合、「役割」として語られがちな職能です。しかしながら、それぞれが目的とする「プロジェクトを前に進める」や、「一人ひとりの意見やアイデアを引き出し、ボトムアップ的に場を活性化させる」という点に着目すれば、たとえその役割を担っていないとしても、それらを意識したり、身体知として獲得したりしているメンバーが多ければ多いほど、より大きな創造的な成果に繋がるはずです。
登壇者の一人である根本は、これからのプロジェクトマネジメントで求められるファシリテーション的なスキルとして、「潮目を読む観察力」を挙げていましたが、CULTIBASEが掲げるCreative Clutivation Model(CCM)を実現する上では、やはり一人でも多くの組織メンバーがファシリテーション的なものの見方や振る舞いを意識することが重要だと思われます。
ぜひ皆さんも、自分の今の役割や業務に、ファシリテーション的なものの見方や振る舞いを取り入れてみるとどうなるのか、考えを巡らせてみてはいかがでしょうか?
■イベント概要
「VUCAの時代」とも呼ばれる不確実性の高い時代を迎える中で、プロジェクトを設計・推進する際の考え方にも、大きな変化が訪れています。今年7月にリリースされた書籍『PMBOX(Project Management Body of Knowledge) Guide』の第7版(英語版)では、綿密な計画とそれに従った正確な進行を重視するスタンスから、変化に適応可能な「原理・原則」を重視するスタンスへの転換が明示されるなど、予測不可能性を前提としたプロジェクト・マネジメントの価値観が、昨今急速に浸透し始めています。
こうした時代の転換点を迎える上で、プロジェクトを率いるプロジェクト・マネージャー(PM)に求めれられるスキルは、どのように変化しているのでしょうか。一つの仮説として、刻々と変化する状況に合わせてプロセスを修繕し、なおかつ目的達成にもコミットする柔軟なプロジェクト・マネジメントを行うためには、メンバーの一人ひとりの自律的な活動を支援するボトムアップ型の関わり方が重要となることが予想されます。
今回のイベントでは、ボトムアップ型の関わり方の代表的な方法論である「ファシリテーション」を切り口に、これからのPMに求められるスキルと考え方について探究します。株式会社MIMIGURIで様々なプロジェクトで中心的な役割を担ってきた根本紘利と栄前田勝太郎が登壇し、過去の事例の中で発揮された暗黙知を紐解きながら、従来のプロジェクト・マネジメントにファシリテーションのエッセンスを組み込んだ新たな可能性を追求します。
中・長期的なプロジェクトをボトムアップ的に活性化させたいと考えている方をはじめ、ファシリテーションの新たな活用の道を模索している方、PMへのキャリアチェンジを考えている方などにオススメのイベントです。ぜひお気軽にご参加ください。