社会変化の激しい昨今、段階的に知識のインプットを行う従来型の人材育成や、トップダウン型のマネジメントだけでは限界があり、学習者が主体的かつ創造的に学ぶことが求められています。
従来型の人材育成を超えるには:研修設計の2つのアプローチ
こうした学びをデザインする手法として注目されるワークショップやファシリテーションの上位概念となる枠組みに「学習環境デザイン論」という考え方があります。
「学習環境デザイン論」では、人間の学びは頭の中だけで起きているのではなく、リアルな状況の中で起きていると考えます。学習環境を「活動」「空間」「共同体」「人工物」という4つの要素に分解し、それぞれを結びつけながら人の学びをデザインしていくのです。
学習環境デザイン論の位置付けや背景、学習環境デザインを実践する際のポイントについて、ミミクリデザインでラーニングデザイナーとして人材開発・組織開発の観点を組み込んだ商品開発プロジェクト等のファシリテーションを手掛ける田幡祐斤がご紹介しています。
■チャプター
00:44 学習環境デザイン論の位置付けや背景
03:46 学習環境デザインの4要素:「活動」「共同体」について
15:57 学習環境デザインの4要素:「空間」「人工物」について
「活動のデザイン」のポイント
・シンプルなミッション(目標)を用意する
・活動そのものに内発的な面白さ(遊び)を含める
・学習者に「良い問い」を投げかける
・適度な難しさ/葛藤を入れる
・学習の共同体にとって意味のある活動を含める
「共同体のデザイン」のポイント
・目標を共有する
・多様な参加の方法を保証する
・常連/熟練者の上手な学び方の手本を可視化する
・必要な情報や物が手に入るようにする
・協力するためのきっかけを用意する
・メンバーのそれまでの活動の蓄積を可視化する
「空間や人工物のデザイン」のポイント
・主体性や好奇心を刺激する装飾を施す
・活動のデザインに適したレイアウトをする
・動線をコントロールする
・照明やBGM等の心理的作用を活用する