CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの52回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「“個人の両利き”を実現する鍵はリフレクションにあり?」をテーマにディスカッションしました。
- 先日、師匠にあたる山内先生にCULTIBASE Labにお越しいただきディスカッションをした安斎(学習環境のイノベーション:”両利きのデザイン”は可能か?)。その際、「個人の両利き(探索と深化)の両立は可能か?」というトピックで意見がわかれた。
- このトピックに対するミナベの見解は「実現可能だが、難しい」というもの。ただし、両利きが実現されているような人は「なろうとしてなる」というより、アジャイル型の環境が浸透した結果、「なるべくしてなる」という人が多いのだという。
- 従来の日本企業の組織体系である「ウォーターフォール型」では、メンバーはトップの決めた目標実現のために機械的な機能を求められる。これは、両利きでいう「深化」に特化していくことに当たる。
- 一方で、アジャイル型にはその実行の勘所として、「『私はこういうところを突き詰めたい』と『チームとしてこの課題を解決したい』が釣り合う仮説を見つける」というものがある。
- これこそが、個人の両利きの両立において重要である。その仮説を見つけるには、個人の内発的動機が可視化されやすいようなルーティーンやコミュニケーション機会があるだけではなく、同様に、チームで一番解決したい課題について考える機会もある、という状態が必要だからだ。両利きで言えば、前者が探索、後者が深化に当たる。
- また、もう1つの大切なポイントが、「振り返り」である。一番最初の仮説は、必ず間違っている。そこで振り返りを「個人の内発的動機が発揮されているか」と「課題が解決されているか」の2つの視点から行うことで、仮説がブラッシュアップされ、チームの言語もハイコンテクストになっていくのだ。
- よくあるバッドパターンには、振り返りのトピックを「課題が解決されているか」だけに絞ってしまうという状態がある。そうすると、チーム内で一番ロジックを発揮できるメンバーだけが頻繁に発言するようになり、他のメンバーの探究が阻害されてしまいがちになる。
- そういう意味で、PdMは、チームの学習を促すファシリテーターでいなければならないということにもなるのではないだろうか?