組織デザインにおける「スモールチーム(小部屋)」の重要性|CULTIBASE Radio|Management #109

組織デザインにおける「スモールチーム(小部屋)」の重要性|CULTIBASE Radio|Management #109

/約21分
Apple PodcastsSpotifyYouTube

CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの109回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「組織デザインにおける『スモールチーム(小部屋)』の重要性」をテーマにディスカッションしました。

「組織デザインにおける『スモールチーム(小部屋)』の重要性」の概要

  • 「組織デザイン」をテーマにシリーズでお届けしており、前回は課題の設定を行った。今回は、課題の解消のために、スモールチームの重要性について扱う。書籍『チームトポロジー』では、ソフトウェア開発職の人が理解しやすい形で、その内容が詳細に書かれている。ミナベは、ビジネス職の人たちにも理解できるように、今回のシリーズでお伝えしていく。
  • 組織デザインの基本は「分業」と「調整」だと言われている。役割ごとに分業することで、効率的に仕事をできるようにするのだ。大きな仕事を小さな仕事に切り分けることを「分業」。小さな仕事を担当するスモールチーム同士が連携して大きな仕事に繋げることが「調整」である。
  • 分業と調整の設計をするにあたって、これまでは大きなハコとしての組織の設計の効率性ばかりが重視されがちであり、スモールチーム(小部屋)の設計論はまとめられてこなかった。しかし、近年その理論も体系化され始めているとミナベは言う。
  • スモールチームの良さとは。人間には認知負荷の限界があり、認知負荷が高くなると、意思決定の効率性がどんどん落ちてしまう。そのため認知負荷の限界を超えないように仕事を担い、自律性や意思決定速度を落とさないことが重要である。スモールチームにおける人数の限界は8人程度だと言われている。その内で、複数の職能を持つ人を入れてコラボレーションを起こす「クロスファンクショナルなスモールチーム」を作ることで、自律性や意思決定速度を高めた状態で、取り組んでいくことが重要だとミナベは言う。
  • 『チームトポロジー』では、スモールチームを大事にし、様々なスモールチームのあり方を提唱している。スモールチームの代表的な例として、ミナベは「ストリームアラインドチーム」と「イネーブリングチーム」を挙げる。前者はメインの価値の流れを作って価値提供をするチームを指し、後者はそのチームを支援する専門家集団を意味する。
  • 組織の人数規模が何人になろうと、価値を発揮できるスモールチームを増やし続ける必要があるとミナベは言う。よくあるバッドパターンでは、人数が増えるとダイナミックでフォーマルな、ハコとしての組織設計に注力しすぎるあまり、スモールチームと全体設計が繋がらなくなることがある。常に敏捷性の高いスモールチームを大切にしながら、価値を発揮できるスモールチームを増やし続けることが重要だと、ミナベは語る。
  • 人数規模が小さい最初のうちは、理想までのロードマップや組織構造を生煮えでいいから掲示し、その実現にメンバーが自律性高く向かっていく組織と文化の状態をつくることが重要だと言う。初期こそ、組織構造が価値に繋がっている感覚が得られやすい。だからこそ、組織構造の重要性をメンバーやリーダーに学んでもらう機会になるのだと言う。

CULTIBASE Radioは、SpotifyApple podcastYouTubeなどでも配信中!最新情報を見逃さないよう、ぜひお好きなメディアをフォロー/チャンネル登録してみてください!

「組織デザインにおける『スモールチーム(小部屋)』の重要性」の関連コンテンツ

今回の内容と関連するイベントのアーカイブ動画は下記にて公開中です。

組織デザイン概論

組織デザイン概論

終盤で語られていたミナベが聞き手を務める連載「クリエイティブ組織の要諦」はこちら

50人で評価額2,100億円を越えたNotionに聞く、少数精鋭のプロダクト組織のつくりかた:連載「クリエイティブ組織の要諦」第3回

50人で評価額2,100億円を越えたNotionに聞く、少数精鋭のプロダクト組織のつくりかた:連載「クリエイティブ組織の要諦」第3回

Slackに学ぶ、「全員が高い責任意識を持つ文化」を育む情報流通のデザイン:連載「クリエイティブ組織の要諦」第4回

Slackに学ぶ、「全員が高い責任意識を持つ文化」を育む情報流通のデザイン:連載「クリエイティブ組織の要諦」第4回

Figmaに聞く、500人超でも「全員がデザインにコミットする」組織のつくりかた:連載「クリエイティブ組織の要諦」第5回

Figmaに聞く、500人超でも「全員がデザインにコミットする」組織のつくりかた:連載「クリエイティブ組織の要諦」第5回

Management Radioの一覧に戻る

SNSシェア

出演者

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

X(Twitter)note

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

X(Twitter)noteVoicyhttp://yukianzai.com/

CULTIBASEについて

CULTIBASE(カルティベース)は、
人と組織の可能性を 見つめなおし、
これからの経営・マネジメントを探究するメディアです。

もっと知る

CULTIBASEをもっと楽しむために

無料の会員登録を行うことで、マネジメント、経営学、デザイン、ファシリテーションなど、組織づくりに関する1000本以上のオリジナルコンテンツと会員向け機能をご利用いただけます。

無料で会員登録する