CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radioファシリテーションの35回目では、株式会社MIMIGURIのFacilitatorである渡邉貴大と、同社でHRを務める和泉裕之が、「”社内放送局”立ち上げに学ぶ、組織開発の実践知」をテーマにディスカッションしました。
「“社内放送局”立ち上げに学ぶ、組織開発の実践知」の要約
- 元々ファシリテーターとして活動していた和泉。1年前に組織人事を専業で担うことになった。組織人事になったばかりの時に、ファシリテーターの経験がいかに人事に活きるかを聞いた。それから1年、今回はどんな変化があったかを聞いていく。
- 前提として、ファシリテーションが人事に活きることに変わりはないと言う。そのうえで、人事になってから半年、和泉はかなり苦戦したと吐露する。当初は、組織開発の仕事と、人材育成の仕事の両方を持っており、やったことがない仕事が多かったと言う。
- 例えば、MIMIGURIでは毎月全社会があり、その時点での経営の方針や個々の学習状態を伝える役割を和泉の所属チームでは担っている。その組成には中・長期的な目線が不可欠であり、その点に難しさを抱えていたと和泉は語る。現在は組織開発に専任で取り組める体制に変わり、その領域で非凡な活躍を見せている。
- 例えば、組織開発の取り組みとして和泉は「社内放送局」として「MIMIGURIチャンネル」を立ち上げた。最初期は「社内ラジオ」として小規模に始めた取り組みだったが、現在は各事業の最新の状況を社内に発信したり、週の最初に”朝会”と呼ばれる短時間の全社集会を実施したり、全8種類の番組を定期的に配信。和泉はプロデューサーのような立場で企画・運営を担当している。6月には、その知見を学術論文にまとめ、MIMIGURIのような合併企業における文化統合のナレッジとして学会発表を行った。
- 学会発表に向けたリサーチの過程で、組織の仕事に寄与していることもわかってきた。リモートワーク下でも仕事のリズムを安定させたり、お互いのパーソナリティを知り心理的距離を近づけたり、同じ組織に所属するだけでは分からない個々人のらしさや可能性と出会う機会になっていたのだ。
- こうした和泉の取り組みは、人事の一般的な役割の延長線上にはないものであり、ファシリテーターをやっていたバックグラウンドが活きているのではと渡邉は問う。それに対して和泉は、ワークショップを設計するにあたって、学ぶべき対象を先に定めるトップダウン的な思考と、その場の衝動や遊びとして起きてることを後から意味づけるボトムアップ的な思考を、往復しながら場をつくってきた経験が活きているのではないかと語る。「社内放送局」でも同様に、全体の目的を意識しながら、同時に社内で起こっている事象に目を向けて場をつくっていく。
- 今後の展望は2つ。1つ目は、まだ接点の薄いMIMIGURIメンバー同士のポテンシャルが掛け合わせられるような場をつくること。2つ目は、「社内放送局」のデザイン論をより洗練させて、社外に向けて形式知として普及させていくことである。「リモートワーク環境」での「日常」に取り入れる組織開発の仕組みとして、和泉は大きな可能性を感じているのだ。
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