CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio ファシリテーションの12回目では、株式会社MIMIGURIの和泉裕之と渡邉貴大が、「ファシリテーターとしての沈黙との向き合い方」をテーマにディスカッションしました。
- ワークショップでも会議でも、ときには沈黙が生まれる瞬間がある。こういうとき、ファシリテーターはどう振る舞うべきなのだろうか?
- 十数年のファシリテーションキャリアを持つ渡邉も、最初は「沈黙が怖かった」という。なぜなら、声に出てこないことは掴めず、参加者が何を考えているのか把握できないからだ。しかし、沈黙には大きく2つの種類があり、まずは目の前の沈黙がどちらのタイプか見極めることが大切だ。
- 1つ目は意識的な沈黙だ。これは参加者が「これをやることに意味があるのか」などと疑念を抱いたり、発言すること自体に不安を感じたりしている場合に作られる。こちらの場合には、事前のプログラム設計やイントロダクションでの説明で、心理的安全性の醸成、場の目的の共有、参加者の役割の明確化を怠らないことが大切だ。
- もう1つは無意識的な沈黙だ。こちらの場合には参加者のなかで考えがまとまっておらず、言葉にしたくても言葉にならないような場合に生まれる。
- 後者の沈黙はとても重要だ。新しい考えが生まれる直前には、誰しもが“まとまらないたくさんの声が頭に渦巻く”ポリフォニー状態を経験する。この状態を経てはじめてストーリー化された言葉が生まれるので、後者の沈黙は阻害せず、じっくりと待つ必要がある。
- 沈黙が生まれると、問いを変えたり説明を追加したりしてしまいがち。沈黙を待てるファシリテーターであるためにも、「なかなか言葉にならなくても大丈夫です」という声かけや、今は言葉にならないかもしれないけど次回は大丈夫だろうというように場を“線”で見る観点が大切になる。