CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの51回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「最近よく聞く「アジャイル型組織」ってなんですか?」をテーマにディスカッションしました。
- 「みんなで色々話して、行動するものなんでしょ?」などと、ぼんやり理解されがちな「アジャイル」という概念。その本質を把握するには、まずは従来の手法である「ウォーターフォール」を知ることから始める必要がある。
- 「ウォーターフォール型」とは、日本の多くの企業が採用している事業開発手法で、「先陣を切る人が、仮想の未来を描き、全体の要件定義にまで落とし込んでいく」というものだ。
- この方法は、1ヶ月などプロジェクトの期限が短い場合には適していることが多いが、それが6ヶ月など長くなるにつれ、「当初決めた要件が変わってしまう」という問題が多発する。
- しかし、それは必然だとも言える。市場や社会の変化が激しい昨今では、人の好み自体が千差万別なだけではなく、トレンドも3ヶ月で全く入れ替わるからだ。
- それに対して、「アジャイル型」とは、開発期間を短く区切り「プロトタイプを作る→仮説検証→仕事の優先順位を変更」というサイクルを回していくことでプロジェクトを進めていく。
- 「アジャイル型」はよくその一部だけを切り取られ「みんなでディスカッションするもの」と理解されがちだが、その本質は「仮説検証のリードタイムをいかに短くするか」というところにある。
- また「みんなで話す」のも、全トピックについて話し合いで合意形成するのではなく、「優先順位をつけ、仮説検証をする」ことが重要だ。プロトタイプを作っていれば、仮説検証している間に、インパクトの大きい要素がわかってきて自然とチーム内での優先順位の認識が揃ってくる。
- 「アジャイル経営」や「アジャイル組織」という言葉が最近よく聞かれるのは、現在の日本企業の多くの経営が超壮大なウォーターフォール型であると同時に、アジャイル型開発の実践には経営・組織など、根本からの変革が必要だからである。