身近にある「アブダクション」経験を語る|CULTIBASE Radio|Design #4

身近にある「アブダクション」経験を語る|CULTIBASE Radio|Design #4

/約15分
Apple PodcastsSpotifyYouTube

CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio デザインの4回目では、株式会社ミミクリデザインの小田裕和と瀧知惠美が、「身近にある「アブダクション」経験を語る」をテーマにディスカッションしました。

  • 前回は定義を確認した、「アブダクション」。今回は、デザイナーの仕事との関係を探りながら、小田&瀧の経験を振り返っていく。
  • 瀧が最近、アブダクションを感じたのは、今自身が東海大学で受け持っている授業の設計プロセスである。デザイナー向けのポートフォリオ作成の授業で、ただポートフォリオを作るのではなく、「学生に体験作文を書いてみてもらおう」と思いついたのだ。
  • このとき、ポートフォリオ作成と体験作文は必ずしもロジカルに結びついているわけではない。しかし、「頭にあることをかくことで“みえてくる”瞬間が生まれる」という点では、体験作文はデザインのプロセスにおけるサムネイルスケッチと同じ役割を果たしていると言える。
  • 小田がアブダクションと聞いて思い出すのは、自身がTokyo Midtown Award 2016で優秀賞を受賞した「数字になるチョコレート」というアイデアの生成過程である。瀧の場合と同様、テーマであった「Anniversary」と「数字になるチョコレート」というアイデアは必ずしもロジカルに結びついていない。
  • 「ある時ふっと思いつく」を可能な限りはやく、そして多く実現するために、デザイナーはスケッチをしたりマインドマップを描いたりする。この、「アブダクションが起きやすい状況を作る」という手法自体に、デザイナーの職能があると言えるのではないだろうか?
Design Radioの一覧に戻る

SNSシェア

出演者

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学非常勤講師。 新卒でヤフー株式会社に入社し、UXデザインの実践と社内普及活動を行う。事業づくりだけでなく組織づくりに課題を感じてからは、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。2020年よりMIMIGURIに参画し、自社サービスCULTIBASE立ち上げ時のサービスデザイン、コンサルティング事業で新規事業開発プロジェクトを中心に担当。現在は、MIMIGURIのナレッジマネジメント、知識創造の仕組みや文化づくりを推進しながら、リフレクションやナレッジマネジメント領域の研究に従事。広義のデザインの実践と研究を一体のものとして体現することを大事にして活動している。

株式会社MIMIGURI デザインストラテジスト/リサーチャー

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

CULTIBASEについて

CULTIBASE(カルティベース)は、
人と組織の可能性を 見つめなおし、
これからの経営・マネジメントを探究するメディアです。

もっと知る

CULTIBASEをもっと楽しむために

無料の会員登録を行うことで、マネジメント、経営学、デザイン、ファシリテーションなど、組織づくりに関する1000本以上のオリジナルコンテンツと会員向け機能をご利用いただけます。

無料で会員登録する