中動態の組織マネジメント論|CULTIBASE Radio|Management #38

中動態の組織マネジメント論|CULTIBASE Radio|Management #38

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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの38回目では、CULTIBASE編集長の安斎勇樹と株式会社MIMIGURI Co-CEOのミナベトモミが、「中動態の組織マネジメント論」をテーマにディスカッションしました。

  • 最近、マネージャーを中心に社内でバズっている書籍『中動態の世界 — 意志と責任の考古学』。
  • 中動態とは、古代ギリシャ語に存在した文法。現代の文法の「能動態-受動態」では大抵の物事が「(意志)するもの-(意志)されるもの」という二項対立として理解されるが、それに対して中動態は「誰かが何かをする/しない」のは個人の意志ではなく「他の何かがその人をそうさせている」という考えに基づいている。
  • 例えば、肩を叩かれて「痛い」と感じることや「お腹が減った」と感じることは能動であるとも受動であるとも言い切れないものがある。このような考え方においては、「果たして、意志というものは存在するのか?」という問いを生起させる。
  • マネージャーは周囲からの期待によって自然発生する責任が多く、なりたての頃は特に「俺が本当にやりたいことってなんだっけ?」と悩むことがある。しかし、能動-受動のパラダイムを脱し、責任の中動態的な側面を理解して受け入れると、むしろ責任との付き合い方がわかるようになってくる。
  • メンバーとの関わり方についても同様のことが言える。例えば、メンバーのモチベーションが低い状態だったとして、それを能動-受動の二項対立ではなくモチベーションの受動態的に理解することで「モチベーションが下がってしまう要因が環境にあるのではないだろうか?どう改善できるだろうか?」という問いが生まれる。
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出演者

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

X(Twitter)noteVoicyhttp://yukianzai.com/

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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