CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの38回目では、CULTIBASE編集長の安斎勇樹と株式会社MIMIGURI Co-CEOのミナベトモミが、「中動態の組織マネジメント論」をテーマにディスカッションしました。
- 最近、マネージャーを中心に社内でバズっている書籍『中動態の世界 — 意志と責任の考古学』。
- 中動態とは、古代ギリシャ語に存在した文法。現代の文法の「能動態-受動態」では大抵の物事が「(意志)するもの-(意志)されるもの」という二項対立として理解されるが、それに対して中動態は「誰かが何かをする/しない」のは個人の意志ではなく「他の何かがその人をそうさせている」という考えに基づいている。
- 例えば、肩を叩かれて「痛い」と感じることや「お腹が減った」と感じることは能動であるとも受動であるとも言い切れないものがある。このような考え方においては、「果たして、意志というものは存在するのか?」という問いを生起させる。
- マネージャーは周囲からの期待によって自然発生する責任が多く、なりたての頃は特に「俺が本当にやりたいことってなんだっけ?」と悩むことがある。しかし、能動-受動のパラダイムを脱し、責任の中動態的な側面を理解して受け入れると、むしろ責任との付き合い方がわかるようになってくる。
- メンバーとの関わり方についても同様のことが言える。例えば、メンバーのモチベーションが低い状態だったとして、それを能動-受動の二項対立ではなくモチベーションの受動態的に理解することで「モチベーションが下がってしまう要因が環境にあるのではないだろうか?どう改善できるだろうか?」という問いが生まれる。