少年漫画から学ぶ、組織デザイン(1):鬼舞辻無惨の「鬼の一派」崩壊に見る、機能別組織のバッドパターン|CULTIBASE Radio|Organization Design #14

少年漫画から学ぶ、組織デザイン(1):鬼舞辻無惨の「鬼の一派」崩壊に見る、機能別組織のバッドパターン|CULTIBASE Radio|Organization Design #14

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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio 組織デザインの第14回目は、株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「少年漫画から学ぶ、組織デザイン(1):鬼舞辻無惨の「鬼の一派」崩壊に見る、機能別組織のバッドパターン」というテーマで語りました。

『少年漫画から学ぶ、組織デザイン(1):鬼舞辻無惨の「鬼の一派」崩壊に見る、機能別組織のバッドパターン』の概要

  • 以前、マネジメントラジオにて漫画の主人公を通じてリーダーシップを分析するというシリーズを行ってきた。同じ要領で、漫画を原作にした作品を用いながら、組織デザイン上で表すと、登場人物たちの組織図はどのようになるのか、またそれを改善するとしたらどういったポイントが挙げられるかについて考えたい。
  • 今回は、鬼滅の刃の「鬼舞辻無惨の一派」にフォーカスを当てた。無惨は鬼同士が自分に反抗するのを恐れ連携することを嫌っており、組織化をあまりしていなかったことが物語上で語られている。
  • 実際、組織図で「鬼舞辻無惨の一派」を捉えると、機能別組織に近いのではないかとミナベは語る。CEOが無惨だとすると、機能部門に上弦の鬼部門、下弦の鬼部門、その他鬼部門があり、ユニットが組まれている。この部門を統括している人は無惨以外におらず、すべての鬼を無惨がミクロ管理する状態だとミナベは指摘する。
  • 無惨はこの組織を動かすために、実力順に上弦の鬼、下弦の鬼と並べ戦って勝つことができると昇格するというシンプルな仕組みにしている。一方で、鬼同士がギスギスすることでチーム単位での連携ができずチームとして成り立っていない状態だと語り、1人1人は強い力を持っていても組織力は上回らない状態だと述べる。
  • こうした状況は、初期のスタートアップやオーナー企業では割とよくある例だとミナベは指摘する。CEOが全てのマネージメントを実態的に兼務をしていて、マイクロマネジメントで細かい意思決定まで握っておりデリゲーションができず、また実力主義で人も育ちにくいため組織がギスギスしてしまうと語る。
  • このような組織を改善するとしたらどうすればよいのだろうか?ミナベは主人公である炭治郎が所属する「鬼殺隊」が参考になると語る。鬼殺隊も基本的には実力主義だが、最高管理者の産屋敷の権限委譲がうまく行っており、また育成の仕組みも整っていると指摘する。また実力がそこまで上がらない人に関しては、例えば医療部隊や後方部隊など、適材適所に配属をすることにより組織のスケーラビリティをあげていると語る。
  • 加えて、鬼を倒すことで世の中をよりよくするのだという理念が全員に浸透しており、この理念に基づいてみんな動いていることが「鬼舞辻無惨の一派」との大きな違いだと述べた。

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出演者

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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