ビジネス現場のとらわれをリフレームし新たな価値観を探究する番組「観変え中」、第2回目のテーマは「学習観」です。軍事的世界観から冒険的世界観へのパラダイムシフトにおいて「学習」をどう捉え直すべきかについて考えました。
学習は個人のみならず「組織」で行われることで、社会変化に対応したり、組織としての成長に繋がります。従来的な価値観では行動主義的な学習に重きが置かれてきた一方、冒険的世界観の学習は、捉え方が変わったり、アイデンティティが変化したりなど、行動変化だけではない学習を重視します。この前提の元、CCM(新・整合性モデル)を見取り図に、事業デザインにおける学習のポイント、職場デザインにおける学習のポイントについて探究していきます。
また、今回から「グラフィックレコーディング」を導入。動画内の要所要所でグラフィックレコーディングを振り返りながら、より分かりやすくお届けします。
「組織学習は”物語の探究”から始まる。変化の鍵は「自己」の捉え直し」のチャプター
04:34 学習観のパラダイムシフト
19:21 学習観とCCM(新・整合性モデル)
25:56 CCM「事業デザインの整合」で考える
32:22 CCM「職場デザインの整合」で考える
41:59 学習観を捉え直すにあたってのパラドックス
46:56 収録アフタートーク
「組織学習は”物語の探究”から始まる。変化の鍵は「自己」の捉え直し」のポイント
学習観のパラダイムシフト
- CULTIBASEが目指す組織づくりの前提として安斎は「冒険的世界観」を挙げた。冒険的世界観では、不確実性の中で新しい価値を探究していくような組織づくりを行う。一方で、旧来の組織やビジネスは「軍事的世界観」を基盤としており、それに基づく学習観や教育の方法が存在してきたと説明する。
- 行動主義的な学習では、特定の行動に対してフィードバックをすることで、学習者の行動を変える。一方で、冒険的世界観の学習は、捉え方が変わったり、アイデンティティが変化したりなど、行動だけではない学びを重視するものだと安斎は語った。
- 軍事的世界観の学習ではスキルやトレーニングの重要性に焦点が当てられるが、冒険的世界観の学習ではそれが全く否定されるというわけではない。
- また安斎は、これまでの学校教育の歴史も振り返り、学習の主権は組織から個へ移っていると指摘した。
学習観とCCM(新・整合性モデル)
- 話題は、学習観とCCM(新・整合性モデル)に移る。ここでキーワードになるのが「組織学習」。組織学習の一例として、組織のルーティーンが変わることが挙げられる。一方で、「組織のアイデンティティ」が変わることも組織学習と言えるのではないかと安斎は述べた。
- まず「事業デザインの整合」を学習の観点で考えた。軍事的世界観の場合、事業が多角化していても、それぞれの事業計画や役割分担、数値達成がされていれば合理的に事業が推進できる。
冒険的世界観ではそれに加え、複数事業を組み合わせながらどのような価値を生み出したいのか仮説を持って推進していくものであると、安斎は述べる。社会環境の変化や競合他社の出現などにより、「仮説は常にアップデートが求められる」と安斎は語った。 - ミナベはCCMの下半分、つまり「職場デザインの整合」についても学習の観点で考えたいと述べた。CCMで目指す職場デザインの整合は、一人ひとりの自己実現欲求を持ちつつ、チームとしての組織アイデンティティの探究も行っている状態であると、安斎は前置きした。
- 冒険的世界観における職場の学習は、同じ目標を持っていたとしても、その意味づけがチーム一人ひとりによって異なる状態、意味づけのデザインが重要なのではないかと安斎は述べる。
- ミナベは、数値的目標の意味づけについて強調した。目標達成や未達成の意味を振り返り、意味づけや“物語づくり”をしていく重要性を安斎は語った。
学習観を捉え直すにあたってのパラドックス
- 事業デザインにおける学習観、職場デザインにおける学習観についてそれぞれ考えたところでミナベは、ここにパラドックスがあるのではないかと問いかける。個々の自己実現に偏りすぎると事業の探究が疎かになり、その逆も然りだと述べた。
- ミナベはパラドックスを解消するためには「ファシリテーション」が重要なのではないかと述べた。ファシリテーションは、職場共同体作りや事業デザインとのバランスをとる役割も持つのではないかと安斎は話す。
- 次回の観変え中のテーマとしてファシリテーションを扱うことにし、第2回の観変え中を締め括った。
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