学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと|CULTIBASE Radio|Management #114

学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと|CULTIBASE Radio|Management #114

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「学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと」の概要

CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの114回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと」をテーマにディスカッションしました。

  • 感覚的に対話は学習支援に繋がると言うミナベ。今回は、先日のラジオを掘り下げて、対話による学習とは何か、というテーマについて、学習論の専門家である安斎が語る。
  • 「学習観」は人によってバラバラで、大人になるとその差は大きく異なると安斎は言う。「学習観」に正解はないとしたうえで、組織・チームの中では「学習観」に対する認識を揃えることが大切だと安斎は語る。
  • たとえばMIMIGURIでは、下記の図を用いて「学習観」を階層別に捉えようとしている。特に重要なポイントとして、スキルの習得ではなく、アイデンティティの変容自体をより本質的な学習だと考えている点が挙げられる。
  • また、米国の哲学者、ドナルド・ショーンが提唱した、2つの専門家像に関する理論も重要である。これまでいわゆる「専門家」と呼ばれる人たちは既存知識の範囲内で解決可能な問題に対して、専門分化された科学的な理論・技術を適用して合理的に問題解決する権威的な存在であり、ショーンはこうした専門家像を「技術的熟達者」と呼んだ。また、「学習」の一般的なイメージも、この技術的熟達者を想定したものが主流であった。
  • 一方、ショーンはもう一つの専門家像として、「省察的実践家」と呼ばれる概念も提唱している。省察的実践家とは、既存知識の枠を超えるため解決不可能な問題に対して、複雑で変動する状況の中で、自己と対話し問題に対峙し続けることで、専門性の拡張が起きるあり方を指す。このあり方のような「学習観」を大切にしたいのだと安斎は言う。
  • とはいえ、ただ経験の機会を与えれば、学習するというわけではない。自分のアイデンティティの意味づけと、目の前の機会の意味づけが噛み合わなければ、学習に繋がることもないと安斎は言う。
  • そしてその次のステップとして、機会を与えられた学習の当事者と、機会を与えた学習の支援者との間で、その機会に対する意味づけとその結果獲得可能なアイデンティティについて対話し、噛み合わせる必要があるとも言う。
  • 「学習観」が揃っていなければ、学び合う状況は起きない。組織の「学習観」を揃えて、それを元にチームで対話を行う必要がある。MIMIGURIでは、省察的実践家像のような、経験学習的な「学習観」を形成していきたいと安斎は言う。また、相互の学習状態を伝達することで、チームとして学び続ける風土をつくるのではないかと、ミナベは言う。

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出演者

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。

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