ファシリテーターの”芸風”の構造

ファシリテーターの”芸風”の構造

安斎 勇樹

2021.05.19/ 5min read

ファシリテーターとして熟達するためには、苦手なスキルを鍛えるだけでなく、自分の得意とする強みを伸ばすことが欠かせません。筆者が行った、熟練したファシリテーターの暗黙知に関する調査研究でも、当日の立ち振る舞いや、背後にある価値観は、ファシリテーターによって多種多様であることが確認されています。

筆者は、こうしたファシリテーター固有の技、その背後にある価値観を含めた強みのことをファシリテーターの「芸風」と呼んでいます。ファシリテーターの「芸風」は、「コミュニケーションスタンス」「武器」「信念」の3つに分解することができます。

ファシリテーターの”芸風”の構成要素
(1)場に対するコミュニケーションスタンス
(2)場を握り、変化を起こすための武器
(3)学習と創造の場づくりに関する信念

(1)場に対するコミュニケーションスタンス

ファシリテーターと一口にいっても、よく喋る人もいれば、ほとんど喋らない人もいます。まず参加者の日常の悩みを聞くところから始める人もいれば、自ら口火をきって非日常の世界へと誘っていく人もいます。 論理的な整理を好む人もいれば、場の感情を第一に進行する人もいるでしょう。

これらは、場に対するコミュニケーションのスタンスの違いです。ファシリテーターのコミュニケーションスタンスの違いは、以下の2軸のマトリクスで整理しています。

場に対するコミュニケーションのスタンス

縦軸は、「参加者に対して自ら働きかけ、触発しながら進行していくタイプ」か、「参加者の意見やコミュニケーションに耳を傾け、それを共感的に受け止めながら進行していくタイプ」かを表しています。

横軸は、「場に関わる際に論理的なコミュニケーションを重視するタイプ」か、「場に関わる際に感情的なコミュニケーションを重視するタイプ」かを表しています。

興味深いことに、初心者であればあるほど、自分の元々のコミュニケーションの特性とは真逆のタイプに対してファシリテーターとしての憧れを抱く傾向があります。しかし、自分の苦手なコミュニケーションスタンスを無理にとろうとすると、不自然な立ち振る舞いになってしまいます。自分がパフォーマンスを発揮しやすいコミュニケーションスタンスを理解し、その特性を生かしてファシリテーションするとよいでしょう。

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