12/26(火)に開催した「DIGTIONARY特別編:研究は企業でどう活きるか?」のアーカイブ動画です。これまでのDIGTIONARYの内容を振り返りながら、研究や探究の起点となるものがどこからやってくるのか、また企業の中で研究活動が行われる意味などについて語り合いました。
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「研究は企業でどう活きるか?」のチャプター
00:11 イントロダクション/番組紹介
06:28 これまでのDIGITIONARYの歩み
11:59 DIGITIONARYを味わい直す(1):対話
22:01 DIGITIONARYを味わい直す(2):身体性
29:34 DIGITIONARYを味わい直す(3):暗黙知
38:51 DIGITIONARYを味わい直す(4):探究と自己実現
48:01 パネルディスカッション
「研究は企業でどう活きるか?」のポイント
- 年内最後のライブイベントはDIGITIONARY特別編。これまで4回にわたってお届けしてきた内容を振り返りながら、研究者として向き合ってきたポイントをについて語り合う。西村と小田はDIGITIONARYを起点に探究活動を続けながら、学会発表や書籍の構想・執筆に繋げてきた。今回はその流れを踏まえながら、研究者としてそのテーマに関心を持ったきっかけについて深堀りしていく。
- 各回ごとに振り返るなかで、まずは小田がメインスピーカーを担当した「対話(第1回)」と「身体性(第3回)」について振り返っていく。
「対話」とは何か?改めて定義を探る
- 第1回の内容を要約して伝えながら、小田は「対話」における「判断の留保」という考え方に関心をもったと語る。もともとMIMIGURIが「問い(問いのデザイン)」に専門性を持つ中で、アウトプットではなく、プロセスに目を向け問いによって立ち止まる機会をつくることが重要ではないかと、と探究を進めていったことがきっかけである。
組織における「身体性」を再考する
- 第3回の「身体性」については、デザインを専門領域とする小田が「感動させる」というフレーズに違和感を持ったこと、また、社会的に生成AIの台頭がある中で、人間ならではの葛藤や感情を大事にすることの重要さが増しているのではないかと考えたのだと語られた。「対話」の回の延長線上として、自身の感情、感覚、感性を「留保」して、その本質を捉えようとする概念に興味を持ったのだという。
- 続いて西村が「暗黙知(第2回)」を振り返る。
暗黙知の誤解と本質
- 西村は「語りうるもの(形式知)」と「語り得ないもの(暗黙知)」があるなかで、あらゆるものを形式知化し、わかるようにしてしまおうとする風潮に対して、ある種の驕りのようなものを感じていて、言葉にした瞬間にこぼれ落ちてしまうエッセンスがあり、それを大事にしたいと思っていたのだと語る。それに対して小田は、DIGITIONARYという番組では、暗黙知を形式知として語ることに限界を感じながらもそれでもそこに試行錯誤していくことを大事にしてきたという。
- 最後に「探究と自己実現(第4回)」について。この回について西村は、もともとMIMIGURIの中でキャリア発達・支援の施策に取り組んでいく中で関心を寄せたテーマだったという。
- この回の起点として西村は、ビジネスパーソンがキャリアの発達を考える中で、自身を変容させていく必要性に迫られるにもかかわらず、その方法がわからないという課題に直面しがちであり、その糸口を探究しようとしたのだと語る。また、小田からは、MIMIGURIが掲げる冒険的世界観との繋がりとして、自分自身が何を為したいのかを考え、自分自身の新しいアイデンティティに気がついたり、他者に伝えたりすればいいのか、そのプロセスこそが大事なのだという。
- 最後にパネルディスカッション。今回の表題でもある「研究(探究)は企業にどう活きるのか?」という点について、西村は「掘ること(Dig)を専門とする人間が組織内にいることで周りを触発する何かがあるのでは?」と投げかける。小田はその問いに答えるかたちで、研究が本質的に重要で、かつ面白いポイントひとつとして、「過去の研究と対話ができること」があると語る。先行研究を手引としながら物事の根源と向き合う営みがなければ、いずれその組織の活動は生成AIに代替されてしまうのではないか、と述べる。
- また、「気になるキーワードを見つけたあとの第一歩は?」という問いについて、西村は「自身の感情に目を向けて、それを起点に考えたことを他の人に話してみること」が大切だと語る。小田は、自分が“とりさらわれている”ものの見方を自覚し、そこから自身のアイデンティティについて考えを巡らせていくことが(よい探究においては)大事だと述べる。
- 来月のDIGITIONARYは「人的資本経営」について深堀りする。また、今後は様々なゲストをお招きしながら、深堀りした知見を多角的にお届けしていくことがアナウンスされて、今回のイベントはクローズした。
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