10/8(土)に開催した「失敗に強い「折れないチーム」の作り方:チームレジリエンスが育つ関係性構築の実践知」のアーカイブ動画です。ゲストはサイバーエージェント常務執行役員CHO・曽山哲人さん。メンバーが失敗から立ち直り、前を向くための関係性構築の実践知に迫りました。
チャットログはこちら
「失敗に強い「折れないチーム」の作り方:チームレジリエンスが育つ関係性構築の実践知」のチャプター
00:11 イントロダクション・登壇者自己紹介
03:20 CULTIBASE Labの紹介
06:46 本日のテーマ「チームレジリエンス」について・チェックイン
11:51 サイバーエージェントの暗黒時代
17:29 チームレジリエンスとは何か
22:41 レジリエンスを発揮する”強いチーム”の3つのポイント
25:09 横や斜めのつながりを強くする取り組み
34:17 どうしてもうまくやっていけない人との協働するコツ
37:48 チームレジリエンスの3ステップ:最小化・対処・振り返り
45:05 プライベートの共有によって得られるものとは?
57:20 「軸の明文化」や「個人への光」の具体的な取り組み
58:18 大きな困難に直面したとき、チームとしていかに対処するか?
01:06:30 共通感情をチームで形成するための工夫
01:07:58 失敗をチームや組織の学習として生かすためには
01:15:30 一人一人がオーナーシップを持ってチームの困難と向き合うためには?
01:19:58 「共通目標」「共通言語」「共通感情」を持つための具体的な取り組み
01:30:07 クロージング・CULTIBASE Schoolのご紹介
「失敗に強い「折れないチーム」の作り方:チームレジリエンスが育つ関係性構築の実践知 」のポイント
・まず初めに、サイバーエージェントの”暗黒時代”について伺った。サイバーエージェントは2000年に上場した後、3年間の離職率が30パーセントに登ったという。当時は、サイバーエージェント内が「会社に共感できる人」と「期待値のずれを感じている人」に二極化していたそうだ。そうした中、2003年に行われた一泊二日の役員合宿が分岐点になったと曽山さんは言う。そこでは、社員や業績向上のためにも、社員を大切にし、退職率を改善するという意思決定がなされた。その結果、現在のサイバーエージェントにも受け継がれるような、ビジョンの策定や人事制度の整備が行われた。
・では、不確実性の高い現代の中で、失敗から学び、回復する力(レジリエンス)をチームレベルで発揮する(チームレジリエンス)ためには、どのような組織づくり・関係づくりが必要なのか。曽山さんは、暗黒時代とそれを乗り越えた後の組織の差を振り返りながら、レジリエンスを発揮する強いチームの3つのポイント:「軸の明文化」「横のつながり」「個人への光」を挙げた。
・1つ目の「軸の明文化」は、ビジョンや目標を明文化するということ。支えとなる軸があると、チームメンバーもそれに向かって頑張れる。2つ目の「横のつながり」とは、社員同士の関係性のこと。ポジティブな関係性が育まれると、互いへの信頼感が高まり、問題が起きにくくなると曽山さんは言う。3つ目の「個人への光」とは、個人の成果に対して表彰をしたり褒めたりすること。一人一人が存在意義を感じられると、仕事に対するモチベーションも高まるためだ。
・次に、一人一人がオーナーシップを持ちながらチームの困難に向き合うために必要なことを伺った。曽山さんはまず、困難には2種類あると伝えた。1つ目が、重要度・緊急度ともに高く、短期での解決が求められるもの。2つ目が、中長期的に取り組む必要があるものだ。曽山さんは、短期の解決が求められる場合は、トップによる徹底的なマイクロマネジメントが求められると話した。ただ、これはマネジメントする側/される側ともに辛い業務になるため、素早く問題を収束させる必要がある。
・一方、チームレジリエンスを発揮し、中長期的な困難に立ち向かうには、3つの共通項:「共通目標」「共通言語」「共通感情」が必要だと伝えた。「共通目標」とは、チーム全員で作る1年後/半年後の事業目標のようなもの。チーム全員で目標を決めることで、一人一人に当事者意識が育まれ、目標に向けて、それぞれが納得感高く行動を起こせるという。
・「共通言語」とは、仕事のやり方やノウハウのドキュメンテーション化/言語化のこと。こうすることで、業務の再現性が高まると同時に、困難に直面した時にも「共通言語」に立ち戻ることができる。また、それでもうまくいかない場合は「共通言語」を見直せば良い。
・「共通感情」とは、いわゆる「共感」のこと。嬉しい、悔しい、といった感情を、チームで共通して持てるかどうかが重要だと伝えた。また、共通感情を持つためには、目標が必要だ。例えば、上司が目標未達に対して悔しがっているのにも関わらず、部下はそれほど悔しがっていない場合、共通目標を持てていない(それぞれが別々の目標を持っている)ことが原因だと伝えた。
・また、失敗をチームの学びとして受け継いでいくための工夫を問われた曽山さん。これについては、日報/週報を書く習慣を作ったり、定例会議の数分を使ってそれぞれが学んだことや感じたことをシェアする場を作ることが有効だと伝えた。他にもいくつかの実践例を紹介しながら、レジリエンスなチームを作るためには、ちょっとした振り返りを少しずつ積み重ねていく、アジャイルなコミュニケーションを仕組みとして組み込んでいくことが重要だと曽山さんはまとめた。
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