4/23(土)に開催された『CULTIBASE Radio SPECIAL LIVE:マネジメントの教科書を書き換える』のアーカイブ動画です。今では当たり前に用いられる「マネジメント」という概念の発展の歴史を振り返りながら、リスナーからお便りをもとに、「現代版・マネジメントの教科書」を考えました。
チャプター
00:11 イントロダクション・登壇者自己紹介
11:10 本日のテーマについて・チェックイン
22:18 マネジメントの定義と歴史
36:24 現代マネジメントの定義とは?
47:39 お便り紹介(1):メンバーの暗黙知を形式知するには?
58:27 お便り紹介(2):ロールの明確化・権限移譲のコツとは?
01:11:18 お便り紹介(3):安斎とミナベの推しコンテンツ・個人の越境学習を組織に生かすには?
01:19:35 お便り紹介(4):嘘でなければ五枚舌を使って良いのか?
01:27:40 お便り紹介(5):大企業病をいかに治せるか?
01:29:33 クロージング・今後のイベントについて
今週のポイント
・マネジメントは、時代に応じてその定義や前提となる考え方を変えてきた。不確実性が高まり、マネジメントのあり方が大きく変わりゆく今、現代に合う「マネジメントの教科書」を編み直す必要があるのではないか。こうした背景から、本イベントの前半では安斎・ミナベが考える現代版「マネジメント」の定義を整理した。
・まず初めに、これまでのマネジメント論を語る上で欠かせない人物として、「マネジメント」という概念の生みの親であるファヨール、「マネージャー像」を掲げ、啓蒙したドラッガー、マネージャーに求められる多様な役割を明らかにしたミンツバーグの3名について解説した。
・これらを踏まえ、安斎・ミナベはマネジメント改善案(ver0.1)を下図の通り整理した。
・特に「人の成長(発達)」に着目したい。これまでのマネジメント論は、マネージャーの行動指針を示すのみだった。しかし本来マネジメントは、チームが自律的に機能するよう、メンバー全員が担うものだ。個々がキャリア発達していくことで、組織開発が進み、成果に繋がる。そうした営みを仕組み(システム)と文化(カルチャー)で下支えし、循環させていくことがマネージャーの役割であり、ファシリテーション型組織の肝とも言える。
・イベント後半では、マネージャーの教科書を作る最初のステップとして、現代のマネジメント実践者であるリスナーからの”お便り”を切り口に語り合った。
・あるリスナーは、組織拡大に伴い、ミドルマネージャーをアサインし、ピラミッド型の組織に移行したものの、ナレッジ共有が進まないと悩んでいた。
・これに対し、ミナベはトップダウン(業務プロセスとKPIを、勝ちパターンとして共有する)とボトムアップ(暗黙知や悩みをシェアする文化を作る)両方のアプローチが必要だと言う。また、安斎は組織にとっての共通善を、理由(WHY)と手法(HOW)を併せて共有することが重要だと説いた。
・また、権限移譲の難しさを伝えるお便りでは、権限移譲で陥りがちな罠を紹介した。(例:権限移譲後に後任者が全くアクションしない、期待していたものとは異なる動きをする)
・こうした状況を避けるために、ミナベはマネージャーは「任せる」ことと「支援する」ことを分けることが重要だと伝えた。タスクの期待値や成果を丁寧にすり合わせて業務を「任せる」。後任者が一人立ちできるまでは、コーチングなどで「支援」したり、権限移譲した事実を関係者に伝え続けたりする必要があることを忘れてはならない。
・他にもいくつかお便りを紹介した。今後もライブイベントなどを通じてリアルな悩みを伺いながら、「マネジメントの教科書」をアップデートしていく。
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