CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio ファシリテーションの3回目では、臼井隆志(株式会社MIMIGURI アートエデュケーター)と竹内美由紀(株式会社MIMIGURI デザイナー)が、「子育てとファシリテーションの共通点」をテーマにディスカッションしました。
- 今回のファシリテーションラジオは、「子育て」をテーマに、子どもを持つMIMIGURIメンバー、臼井・竹内がお届けする。
- 竹内は「デザインにも子育てにも、ファシリテーション的知恵が必要だ」と言う。どちらもただタスクをこなすだけではなく、クライアントや子どもとどう合意形成を取れるか、という点が重要だからだ。
- ファシリテーションの考え方に「足場掛け」というものがあるが、子育てにおいても同じだ。親が子どもに「こうやりなさい!」と押し付けをするのではなく、子どもが成長できるための手助けを親がするという意識でいることが大切である。
- とはいえ、日常はそううまくはいかない。例えば、今の時期には日焼け・熱中症対策が欠かせないが、日焼け止めを塗ろうとすると子どもが逃げ回ってしまったり、いざ公園に出かけてもすぐ帽子を取ってしまったり、と親の「気になる」と子どもの「遊びたい」の間にたくさんの困難が生じる。
- ここで大切なのは、日焼け・熱中症対策というゴールに向けて子どもとどう合意形成をするか、という観点だ。ファシリテーションにおいても関係者と「目的はこれです」と「その目的にはこう到達します」と目的とプロセスについても合意しておくことが重要な前提となる。
- 確かに、子どもに対しては大人と同じような言葉で合意形成をすることは難しい。しかし、1つ1つの困難を「どうすれば子どもに意味を共有できるのか」という練習として捉え直し、ストーリーを作ってみたり擬人化してみたりと伝える工夫を重ねることが重要だ。
- 子育てをする親は、誰にも褒めてもらえない。だからこそ、「うまくいったかどうか」だけではなく「目的は達成できなかったけど、工夫はできた」と自分を肯定していくことが、子育てとしてもファシリテーションとしても大切なのである。