CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの61回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「多職種タレントを活かす組織マネジメントの勘所」をテーマにディスカッションしました。
- 現在、全3回のスクールに登壇しているミナベ。架空の100億フェーズのミドルベンチャーを想定し、受講生とともにその企業がさらに成長するために必要なことを議論している。
- 通常、スタートアップ段階の企業は、1つのイシューを一点突破するようなプロダクトでPMF(プロダクトマーケットフィット)させ、資金調達をする、という成長を描く。しかし100億のフェーズよりさらに成長するためには、1つのプロダクトでは難しく、既存事業を土台とながら、どう新規事業を作れるかが鍵となる。
- また、組織においても大きな変革が求められる。スタートアップ期においては1つのプロダクトで突破するためにみんなで同じ価値観を共有し、団結することが重要だった。しかし、これ以降のフェーズでは、新規事業を生み出すためにも、多職能・多職種の人たちが共存することが重要となるのだ。
- したがって、評価制度や採用、情報の流れ方など、経営基盤自体も、多様性を前提として作り替えなければならないのだが、国内にそのモデルケースは少ない。裏を返すと、この問題は国内の成長段階にある多くの企業が共通して抱えている悩みなのである。
- 実は、日本と海外のタレントマネジメントシステムには、明確な違いがある。
- 日本では、ポジションや能力の厳密な定義をせず、「このプロジェクトには、このくらいの人数が必要だろう」と、人材の数だけでプロジェクトの数や規模を決めることが多い。つまり、事業計画と人数が直接的な関係にある。
- 一方、アメリカの場合は、事業計画と人材の間に「ポジション」という概念が挟まる。それは課長や部長というざっくりした意味でのものではなく、事業がうまくいくような構造・多様さの定義をした上で、「そのためにはマネージャーとして、具体的にこのような能力の人が〇〇人くらい必要」と考えることを意味する。
- ここで一番大事なのは、多様さを定義しておくことである。なぜあえて多様さを定義するのかというと、そうでなければ既存の大人数の圧力に負け、結果的に画一的な組織になってしまうからだ。そして、事業につながるように組み立てることで、はじめて多様性が効果を発揮する。
- 多様さの定義を分解し、PLに紐づけること。多様さの定義を分解し、HRの具体的なHOWに落とし込むこと。この両者はどちらもが重要なのだが、この2つは大きく分断されてしまっているのが国内の現状である。
- 一方で、そのような“外側”のシステムは単独ではうまくはたらかない。そのエンジンとなるのは、メンバー1人1人が「多様性のなかでどのように価値発揮をできるか」ということについてイメージを持って動けることである。
- 安斎の興味はここにある。つまり、多様な環境で1+1+1が3以上となるような、「三人寄れば文殊の知恵」をどう実装できるのか、ということだ。
- 実は、「三人寄れば文殊の知恵」をどれだけ生み出そうとしても、直面している問題が1人でやったほうがいいものである場合、うまくいかない。なぜならコラボレーションはめんどくさいからだ。
- だからこそ、コラボレーションに実利がある環境を整えるのが重要だ。「他職種の人たちとやった方が楽しいし、気づきがあるし、いいものができる」という文脈を自然と作れていることが大切なのだ。
- 【お知らせ】7/24(土)のイベント「不確実性を乗り越えるチームづくりの流儀:高速な仮説検証を実現する『2つのDX』とは何か」では、ミナベがLab会員限定イベントに久々の登壇をいたします。また、CULTIBASE Labでは現在初月無料キャンペーン中ですので、会員ではない方も入会の上、是非ご参加ください。