飛躍した発想はどこから来るのか:デザイナーの身体知としての「アブダクション」を解明する

2021.05.17/99

「情報飽和時代」とも呼ばれる現代、論理的思考では辿り着けない飛躍した着想が求められる中で、根本的な発想力に課題を感じる企業が跡を絶ちません。

こうした問題意識から、昨今「アブダクション」と呼ばれる認知の力が注目されています。記号論を創始したアメリカの哲学者・パースによって広められたこの力は、「帰納」と「演繹」に並ぶ第三の推論の方法であり、「発見の論理」あるいは「創造の論理」とも呼ばれています。

日常に存在する何気ない現象を敏感に捉え、なぜそうなるのかを思考し、導き出された独自の仮説に基づいてブレイクスルーを生み出していく。ニュートンによる万有引力や、コペルニクスによる地動説など、社会に歴史的な革新をもたらした発見の多くに、このアブダクションが関係すると言われています。しかしながら、アブダクションの出発点となる「直観」のメカニズムには、未だ解明されていない点が多く残されています。

今回のイベントでは、これまでCULTIBASEでデザイン研究による知見を数多く提供してきた小田裕和瀧知惠美が、「デザイナーの身体知」の観点から、アブダクションについて探究します。アブダクションを単なるメソッドやフレームワークに矮小化するのではなく、「まず手を動かす・かたちにしてみる」などのデザイナーならではの「癖」や「習慣」と関連づけることで、新たな発想の基盤となる「クリエイティブ・ルーティン」を確立するヒントを探ります。

本イベントでは、参加者の皆さまとともに自分のクリエイティブ・ルーティンを創ってみるワークを実施予定です。自身の「癖」を見つめ直し、「まずはやってみる」ことで自分にとって心地よい身体性と向き合う時間を提供します。 新たな発想を生み出す方法論に興味のある方、デザインの身体知に興味のある方、直観やひらめきの基盤となる認知の仕組みに関心を持つ方など、多くの人にとって実りある学びの時間をお届けします。ぜひお気軽にご参加ください。

本イベントはZoomミーティング形式で開催します。途中参加者同士のグループワークの時間も設けながら、CULTIBASE Labの皆さまとともに探究していくかたちを予定していますが、耳だけの参加ももちろん大歓迎です。どうぞご自身の状況に合ったスタイルでご参加ください。

【4/27・追記】
ホストを務める小田・瀧による、「アブダクション」をテーマとしたRadioコンテンツが公開されました。本イベントの予習をしたい方、参加しようか迷っている方はぜひご視聴ください。Lab会員以外の方もお聴きいただけます。

▼デザイナーの思考の癖を「アブダクション」で説明する|CULTIBASE Radio|Design #3
https://cultibase.jp/radio/6419/

▼身近にある「アブダクション」経験を語る|CULTIBASE Radio|Design #4
https://cultibase.jp/radio/6420/

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