インハウスデザイナーの「役割の変化」と、デザインを多角的に捉える「視点」を探して──私が「HYPER ISLAND」で学んだこと:「世界のデザインスクール紀行」第9回

インハウスデザイナーの「役割の変化」と、デザインを多角的に捉える「視点」を探して──私が「HYPER ISLAND」で学んだこと:「世界のデザインスクール紀行」第9回

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2022.01.06/ 18min read

1995年に設立されたスウェーデンのデザインビジネススクール「HYPER ISLAND」。常勤講師がおらず、評価制度まで自分でデザインするという自由度の高さが有名な教育拠点です。ソニーのインハウスデザイン組織「クリエイティブセンター」に所属するなかで「デザイナーに求められるスキルセット」の変化を感じ、2年間の留学を経験したデザイナーの松原明香さん。そんな松原さんが学んだ、グローバルにプロダクトを提供するうえで求められる「ユーザー理解」や、取り残される人々を生み出さないための「インクルーシブデザイン」の重要性とは?


「HYPER ISLAND(ハイパーアイランド)」は「宿題がない」「常勤講師がいない」「テストがない」といったキャッチーさで知られる、1995年にスウェーデンに設⽴されたデザインビジネススクールです。

2021年現在はスウェーデン以外にもロンドン、ニューヨーク、シンガポールなどを含む世界で8つの教育拠点を⽴ち上げ、5,000名以上の卒業⽣を輩出しています。

「Learning by doing」というコンセプトを掲げ、実社会から学ぶことを重視し、全てのプロジェクトがいわゆる産学共同の授業スタイルで会社、業界との結びつきが強いのが特徴です。

私はソニーグループ株式会社(以下、ソニー)でのインハウスハウスデザイナーの仕事を一度休職し、よりモノからコトへのデザインへと変化するデザイン業務に対応するため、HYPER ISLANDのDigital Media Creative という2年間のコースに社会人留学しました。

デザイナーに求められる役割が変わってきた

私は美大を卒業後、ソニーのインハウスデザイン組織であるクリエイティブセンターにデザイナーとして新卒⼊社し、製品やサービスにまつわるロゴ、ウェブ、ムービー、取扱説明書、パッケージ、店頭展示、それらのガイドラインなどのデザイン業務に取り組んでいました。

当時を振り返ると、今までは直接競合ではなかった会社が競合になるなど、市場が大きく変わりつつある中だったと思います。この状況はデザイナーの仕事内容にも影響します。個々の製品をデザインする業務だけでなく、「課題に対して一緒に考えて欲しい」「状況を変える新たなアイデアを出して欲しい」という課題の解決や課題自体を探すプロジェクトが増えていきました。

こういった新たに依頼される課題解決型、課題探し型のプロジェクトは、入社数年目の私にとって、どういう角度でアイデアを出したらいいのか、どのように対応すべきかわからないということが多かったです。⾃分のデザインの「引き出し」をもっと増やし、そういったプロジェクトを楽しめるようなりたい。そんな考えが、留学のきっかけでした。


また、日常業務でも⽇本以外のユーザーに向けてサービスやプロダクトを展開しているにも関わらず、私⾃身は国外のことをほとんど知らず、そういった⽅々に向けてサービスをつくることへの⾃⼰⽭盾、葛藤がありました。リサーチではこういうふうに⾔っているけれど、この⻆度からみた内容だけで決めてしまっていいのかな……とぼんやりとした不安感があったわけです。

「Learning by doing」。常駐の「教師」がいない学校

留学先を検討する際、私は既に日本の美術大学を卒業していて既に社会人経験があったため、実社会でのスピード感を維持しつつ、実社会のデザイン業務へ直接繋がる学びがある学校を探していました。

いくつかの候補のデザインスクールの中で、そういった教育方針や、実社会とのつながりを重視しているカリキュラムのある学校を選び出し、受験して縁があったのがHYPER ISLANDでした。

「なんでスウェーデンが良かったの?」と聞かれることが多いですが、自分の欲しいものが得られそうで、ポリシーや学びにおいて重視している点が自分に合う学校を選んだ結果として、場所がスウェーデンだったので、スウェーデンに特に思い入れがあるわけではありませんでした(行ってみたらとても素敵な場所でしたが!)。

「リフレクション」を重視するプロジェクト設計

HYPER ISLANDでの授業、学校生活のなかで私が特に印象に残っていることとしては大きく2つあります。

ひとつ目は「リフレクション」です。HYPER ISLANDでは基本的に全ての「授業(HYPER ISLANDでは「モジュール」と呼ばれていました)」は1〜2ヶ⽉程度のプロジェクト形式、4~5⼈のチームで取り組みました。

学校全体の⽅針で実社会から学ぶことを重視しているので、全てのモジュールが「産学共同」の授業スタイルで「Client Identity」や「Prototyping 」などそのモジュールのテーマに合わせて、デザインファームや事業会社からデザイナーやディベッロッパーを招き授業を⾏っています。

モジュールは実際のクライアントワークに近い形態で進むことが多く、基本は課題(ブリーフィング)が発表され、 中間でフィードバックをもらいながら、最終的にはプレゼンテーションという流れで⾏われます。

「リフレクション」は最終プレゼンテーション後の各モジュールの最後に行われる、「振り返り」のセッションです。下記がリフレクションセッションでの質問項目の一部になります。

・結果、最終成果は私にとってどういった意味をもっていたか?(例えばポジティブに受け取ったのか、ネガティブなのか。またなぜそのように受け取ったのか) どういった「よくあるパターン」があったか?(ここでいうよくあるパターンは、自分の働き方、仕事の仕方であったり、チームメイトとのコラボレーションの仕方など)
・その「よくあるパターン」に対してどう思っているか?
・他のどういったパターンを学んでみたいか? そのためにどういった具体的なアクションを起こせるか?
・私に影響する何が起きたか?(何がどのように自分のパフォーマンスに影響したかなどを話す。例えば、プロジェクトの中盤でクライアントの言っていることが180度逆になったのでそれでモチベーションが下がったなど)
・自分自身や自分の行動から何を学んだか?
・ほかの人々の行動から何を学んだか?
・次からはどのように行動できるか?
・私はどういった行動を避けたか? またその理由は?
・そのプロジェクトの中で一番パワフルな瞬間はいつだったか?
・次のプロジェクトに活かせる学びを何かひとつ選ぶとしたら何か?
・次のプロジェクトからはやらない行動を何かひとつを選ぶとしたら何か?


リフレクションのセッションは2時間程あり、個人のリフレクションとチームのリフレクションのふたつのパートに分かれています。

まず個人のリフレクションでは上記の質問をもとに自分自身で振り返りを行います。その後のチームのリフレクションでは、個人のリフレクション内容を共有すると同時に、チームとしての結果、プロセスに対して自分自身がどう思うかをそれぞれチームメイトとシェアします。

最初はこの後半のリフレクションに抵抗があったのですが、回を重ねることにだんだん喋りやすくなりました。また繰り返し行うことで自分の行動が振り返りやすくなり、かつ自分の行動が他人にどういった影響をあたえるか、分析しやすくなりました。

自分だけでなくチームメイトの失敗や成功体験を元に、次のプロジェクトでは次はこう行動しようなど、ブラシュアップ、改善を計画的にしやすくなりました。

個人的には、こういったチームデベロップメントに関する個々の気持ちを確認しあう作業は、多様な属性のメンバーであればあるほど大事だと思っていて、透明性のあるコミュニケーションがないと最初はすれ違いが多く、うまく働けない、コラボレーションができないと感じることが多かったです。

チーム内でリフレクションを重ねることで、お互いの違いを認識した上で普段からネガティブなことでもオープンに話せるカルチャーができ、問題が起きた時に対処しやすくなり、より本質的なディスカッションがしやすくなりました。それが結果的にアウトプットのクオリティ向上につながることも、プロジェクトを重ねて感じました。

クリエイションと社会性

ふたつ目はクリエイションにまつわる倫理や社会との接点を伝えるレクチャー、ワークショップです。


テーマとしては「クリエイションと倫理」、「プライバシーとデザイン」、「経理、お金とデザイン」といったテーマで現役でそのテーマに関わる業務をしている方が講師としてレクチャー、ワークショップを行なっていました。

例えば、「クリエイションと倫理」に関しては、当時2018年だったので、2018年に行われたドルチェ&ガッバーナの箸をピザで食べるプロモーションに対して話し合い、チームごとに意見をまとめる、というようなワークでした。

質問項目は以下のとおりです。

・このクリエイション、キャンペーンに対してどう思うか?
・このクリエイション、キャンペーンは社会に対してどのような影響を与えると思うか?
・このクリエイション、キャンペーンによってどのようなブランドへの印象を持つか?

このワークでは、具体的に下記のような意見が出ました。

「クリエイティブな表現」
「あくまで表現上なので、表現としては問題ないのではないか」
「リスペクトのないブランドは価値が下がる」
「間違った文化が伝わる懸念がある」
「イタリアの会社が中国の文化を使ってプロモーションするので文化の盗用になる」
「どこが文化の盗用なのかがわからない」


面白かったのは、結論を出すのではなく、あくまでディスカッション自体に重きを置いていたことです。

このワークショップでも最終的にはチームごとにソリューションを発表しながらも、最後にはこのキャンペーンに対して実際につけられたコメント、会社の対応を見て、自分たちの議論と照らし合わすという作業もしました。

「プライバシー」や「お金」のテーマでも、企業のプライバシー担当者やクリエイティブエージェンシーの経理の方がきて、過去に起きた事件や、普段の業務で使っているエクセルをスクリーンシェアして、具合的な案件での精算の仕方を共有することもありました。ディスカッションに重きを置くという部分は一貫していて、生徒側で話し合いながら答えをすことが多かったです。  

評価制度を自分でデザインする

HYPER ISLANDの特徴の一つは、その⾃由度が⾼さです。カリキュラムの⾃由度が⾼いことは事前情報で知っていたのですが、その予想を上回るほどの⾃由度の⾼さで、最初は不安を感じることも多かったです。

自由度の高さは、評価制度にまで及びます。HYPER ISLANDは前期と後期で期末評価がありました。この期末評価は、まずいくつかの評価項⽬(Core skills)がファシリテーターから発表され、その項⽬をいかに⾃分が達成したかを「インダストリアルリーダー」と呼ばれる外部の⼈に対してプレゼンテーションし、証明します。

まず、この評価項⽬(Core skills)というのは抽象的で、具体的に「そのCore skillsが⾃分にとって何を意味するか」を自分で定義し直すところからはじめなくてはなりません。次に「自分はそれを学ぶために何をしたか」「何をもって自分がそれを達成したか」を定義し、それらを「達成した証拠」=「プロジェクトの成果、プロセス」をプレゼンテーションの場で提示します。

例えば、私の場合は「UXデザインについて学びたい」とまず目標設定をしたとして、評価項⽬のフォーマットには「ユーザーの行動、リサーチメソッドとそれらを学ぶ」などタームごとに達成すべき抽象的な項目があります。横軸に沿ってUXデザインを学びたい私として「ユーザーの行動、リサーチメソッドとそれらを学ぶ」とはどういうことかを自分で具体的に定義します。プレゼンテーションではプロジェクトで取り組んだことやプロセスを紹介しながら、自分が定義したゴールが達成したことを証明します。

評価する側の「インダストリアルリーダー」の多くは、HYPER ISLANDの卒業⽣であることが多く、⽣徒の⽬指すキャリアと近いインダストリアルリーダーがそれぞれ割り当てられます。

例えば私の場合は、UXデザイナーやプロダクトデザイナー(日本でいうUI/UXデザイナーがデジタルプロダクトをデザインするデザイナーとして「プロダクトデザイナー」と呼ばれていることが多くありました)の方がアセッサーになることが多かったです。プレゼンテーションはかなり対話的で、こちらでプレゼンするもののアセッサーが途中で質問し、抽象的な部分はヒアリングして聞き出してくれるところもあります。

最初は評価軸まで⾃分⾃身で定義するというやり⽅に対して、自分でハードルを低く設定してしまえばどうとでもなる制度だと感じており、疑問しか沸かなかったのですが、実社会ではキャリアの軸がないと自分にあったキャリアを築いていくことは厳しいので、「評価軸を⾃分⾃身で決める」作業は⾃分のスキルを棚卸しし、キャリアをハンドリングし、コントロールする練習として大切なことだと思いました。

卒業生ネットワークの強み

自由度が高い分だけ「主体性」が重視され、常にクラスの面倒をみる「先⽣」もいない分、⽣徒間での結びつきが強いのもHYPER ISLANDの特徴だと思います。ある日その時行われているカリキュラムが、すでに行われたカリキュラムと内容が被っており、それに対してカリキュラムやレクチャーの変更を要求するために多数決をとってクラスの何人かが代表としてメールを書き、ファシリテーターと交渉したことが何度かありました。

最終的には妥協案を決め、学校側も対応してくれました。疑問に思ったことに対して連帯して声を上げる雰囲気もそうですが、学校側もその交渉に乗る姿勢に私は驚きました。

クラス単位の連帯だけではなく、卒業生も含めたコミュニティもHYPER ISLANDの特徴のひとつです。HYPER ISLAND 内ではSlack、Facebook、Discord、LinkedIn、Mailing listなど複数のオンラインコミュニティが存在しており、日常的に在校生、卒業生間で家探しからインターン先、メンター探し、仕事探し、プロジェクト、CV 、ポートフォリオのフィードバック等のやりとりが行われています。

私自身もこのコミュニティのおかげで学ぶ機会を得た、チャンスを得たことがこの学校生活の半分を占めると言っても過言ではないと思います。
例えば、モジュールの中でリサーチの課題があり、私はデザインコンサルティングでのチーム構成、チームディベロップメントについてインタビューを中心としたリサーチをしていました。

その時はLinkedin、Facebookグループ、Slack経由で卒業生につないでいただき、北欧を中心とする10のデザインコンサルティングファームで働く卒業生の方にインタビューできました。

その時もメールやメッセージで唐突に「私は今HYPER ISLANDでデザインコンサルティングのチームディベロップメントについて調べているのですが、インタビューさせてもらえないでしょうか」と聞いて「いいですよ。いつがいいですか」とことが進むことに驚きました。

あるとき、
インタビューをさせてもらった1人に対して「なぜ見ず知らずの人からのインタビューを受けてくれたのか」と聞いた時に彼は、「私がHYPER ISLANDの生徒だった時、同じように卒業生をたどってコンタクトし、チャンスをもらったのでいま同じことをやっているだけ」と回答してくれました。


在学中に、在学生や卒業⽣を含むコミュニティ、ネットワークを通じて仕事を⼿に⼊れたり、卒業生にメンターとなってもらい自分から学びにいくような姿勢を学校からは推奨されます。「学校」という場を通じてコミュニティ内で学び合う⽂化を⾃ら形成し、その結びつきが強いことと、卒業してからもインターネットを駆使してAlumniとして業界、国を横断して助け合う、学び合い続ける文化が興味深いと感じました。

Femtechスタートアップ「Grace Health」でのインターン


より実社会や実践に根ざした学びにするために、HYPER ISLANDではカリキュラムの後半でインターンシップに参加することが必須になっています。

インターンは必ずしもスウェーデンでする必要はないので、スウェーデン以外の国に⾏くクラスメイトも多くいました。私はせっかくスウェーデンにいるので個⼈的に興味があるFemtechかFintech分野のスタートアップをリサーチし、最終的にはFemtechのスタートアップGrace.Health(最近、Grace Healthは『WIRED』UK版が選ぶ、ヨーロッパで今最も注目されるスタートアップ100に選ばれました!)で6ヶ⽉間インターンをしていました。

インターンといいつつ6ヶ⽉間と⻑かったので期間中にアフリカへ出張に⾏かせてもらいユーザーテスト、インタビューをするなど、チームに溶け込んで取り組むことができたので貴重な経験をさせてもらったと思っています。

Grace.Healthは、2⼈のスウェーデン人女性エステルとトレアスが⽴ち上げた、アフリカをメインマーケットとするコンバセーションベースのAIを活用した月経管理アプリを開発するスタートアップです。⽣理周期をお知らせしたり、⼥性の健康に関わる相談にのってくれたりする、全ての人が安心して使えるバイアスの少ないコンバセーショナルAIの開発を⾏っていました。

私はUXデザイナーとしてオンボーディングのUXを⼀緒に考えたり、英語が第⼀⾔語ではないユーザーに対していかに分かりやすく、かつ安⼼して相談できるAIとしてどういうふうに返答すべきか(UX writing)を、⽇々チームのみんなと試⾏錯誤をして考えていました。

この会社では当時7カ国からメンバーが集まり、多様で優秀なメンバーと⼀緒にコラボレーションができたことがラッキーだったと思います。 もちろん今までのようなコミュニケーションが通じなかったりすることもありましたが、それ以上に⾃分が思いつかなかったような解決⽅法やアイデアに触れるのはすごく新鮮で楽しくて、「あーこういう発想もあるんだ」というような瞬間が何度もありました。

また、アイコンやイラスト、簡易プロトを作っても「それはXXに⾒える」だとか⽂化背景、環境背景によって全然異なる印象を持たれることに身を持って驚かされました。

多様なメンバーが集うメリットは、より多様な⻆度でプロダクトやサービスを吟味できる点です。クリティカルなミスを発⾒できたり、より様々なユーザーに喜んでもらえるサービスやUXをつくれたり、問題に直⾯した時もあらゆる⻆度から解決法を探しやすくなったりすることだと改めて感じました。

また、私は今まで⽇本で⼀つの会社でしか働いたことがなく、⼥性のリーダー像に関して抜かりなく完璧な⼈が多かったのですが、このスタートアップのリーダーは今までにみたことのないリーダー像でした。

かなり大胆、奔放でたまに夫や子供を連れてきてオフィスで働いており、すごく自由に働いているように私には見えました。彼⼥たちとキャリアの相談をして、リーダーってこんな感じでもいいんだ、環境が変われば⼥性もこんな感じで働けるんだとすごく視野が広がったような気がしました。

⾦曜午後は15時以降になると「週末はボーイフレンドとコペンハーゲン⾏くので帰りまーす」と⾔って⽴ち去る同僚がいたりと、私が⾒たことがないような週末の光景が広がっていたのも驚きました。仕事を疎かにしているというよりも、家族や友人、大切な人との時間を⼤切にするという考え方が仕事場全体から感じられ、その決断をみんながリスペクトしている職場の雰囲気にカルチャーショックを感じました。

インクルーシブな社会を目指して

私は帰国後もソニーでデザイナーとして働いています。留学前と比較して、新たな⻆度からデザインを捉え、業務を行えることが楽しいです。

多角的にデザインをみることができるようになったのは、留学中に、文化や専門性が異なるバックグラウンドの人々と接することができ、価値観がいかに多様であるかを体感できたためです。

この体験によって、今まで行っていたユーザーテストやリサーチ、フィードバックをもらうことの重要性を再認識させられたと同時に、デザインをチーム内で議論する時に自分が出会った様々な人々をペルソナと登場させて、その人の目線で考えてコメントしたり、自分自身で議論のテーマを持ち込めるようになりました。

今後のチャレンジとしては、インクルーシブデザインの領域を深堀していきたいと思っています。デザインプロセスの上流から、今までターゲットユーザーとされてこなかった高齢者、障がい者の方を巻き込んで、全ての人々に訴求できるソニーの新しいサービスやプロダクトを作り上げていきたいです。

条件が変われば、自分も含めて誰もがマイノリティになる可能性があります。そんな時にどういった世界であってほしいかを考えながら、1デザイナーとして会社を通してより良い世界、社会の実現に向けて、少しでも貢献したいと今は考えています。
 

著者プロフィール:
松原明香
東京在住デザイナー。武蔵野美術大学基礎デザイン学科を卒業後、2014年ソニー株式会社 クリエイティブセンターに入社。2018年に休職し、HYPER ISLAND、Stockholm校のDigital Media Creativeコースへ2年間、社会人留学。2020年に帰国後、同社で引き続きインハウスデザイナーとして働く。

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