遊びのメカニズムを理解する理論的枠組み:連載「遊びのデザイン」第6回

遊びのメカニズムを理解する理論的枠組み:連載「遊びのデザイン」第6回

安斎 勇樹

2021.08.03/ 7min read

連載「遊びのデザイン」では、仕事や生活に「遊び心」を取り入れることで、創造性を高めるアプローチについて探究しています。

遊びのデザイン:組織変革のプレイフル・アプローチ

今回の記事では、遊びのデザインの基本的な思考法について整理したのちに、遊びの本質を理解する上で土台となる理論的枠組みについて概観します。

目次
遊びのデザインの基礎となる思考
遊びを実利から切り離したホイジンガの理論
遊びを類型化したカイヨワの理論
遊びと現実の接続を「膜」で捉えた、ゴッフマンの理論

遊びのデザインの基礎となる思考

遊びをチームや組織に実装していくためには、理念開発、プロジェクト設計、オフィスデザイン、ルールメイキング、評価制度策定、ツールの活用などさまざまなアプローチが考えられます。

しかしその前段階として、優れた「遊びのデザイナー」になるためには、遊びそのものの性質について深く理解し、人間にとって「面白い」と感じられる活動を生み出せるようにならなければなりません。既存の遊びの面白さの要因を説明できなかったり、他人がのめり込む遊びを発明できなかったりするうちには、遊びの力でチームや組織を変えることはできません。

遊びのデザインの基礎をなす思考として、本連載では「遊びを理解する(わかる)」「遊びを創造する(つくる)」という両極の上に「解明」「分解」「編集」「発明」という4つの思考を置いて、整理していきます。

「遊びを理解する(わかる)」という軸は、その遊びがなぜ面白いのか、理解することです。軸の端に位置する「解明」は、面白さの要因について考察し、明らかにする思考です。続く「分解」とは、遊びを構成する要素について分解することで理解を深める思考です。

「遊びを創造する(つくる)」という軸は、新たに遊びをつくりだすことです。軸の端に位置する「発明」は、これまでにない新奇な遊びを考案する思考です。並ぶ「編集」とは、まったく新奇な遊びの発明には至らずとも、遊びを構成する要素にアレンジを加えたり、組み合わせたりすることによって、遊びを編み直す思考です。

これら「解明」「分解」「編集」「発明」は完全に切り離せるものではなく、グラデーションになっています。特に「分解」と「編集」は裏表で地続きになっており、遊びを「わかる」ことと「つくる」ことをつなぐ性質を持った思考方法です。

完全に遊びの本質のすべてを「解明」したり、これまでにない全く新しい遊びを「発明」することは、もしかしたら不可能かもしれません。それぞれは、一定レベルの「分解」や「編集」とつながっているものであり、あくまで帯状につながっているものです。

解明:遊びの面白さの要因を明らかにする
分解:遊びを構成する要素を分解する
編集:遊びの構成する要素を編集する
発明:これまでにない新奇な遊びを考案する

新しい遊びを創造するためには、既存の遊びのメカニズムについて深く理解しておく必要があります。そのためには、遊びを構成する要素を「分解」しながら、その遊びの面白さの核はどこにあるのか、「解明」する思考方法が必要です。

遊びを理解する上で、すでにアカデミックに蓄積がある遊びに関する関連知識について理解しておくことは、とても役に立ちます。先行研究を挙げればきりがありませんが、本記事では、現代の遊び論に大きな影響を与えている偉人「ホイジンガ」「カイヨワ」「ゴッフマン」が提案した理論的枠組みについて概説します。

続きをお読みいただくには、
CULTIBASE Lab会員登録が必要です。

Lab会員登録初月無料トライアルに申し込む ログイン
CULTIBASELabの紹介

Most Popularランキング トップ5

Tag人気のタグ

タグ一覧へ
CULTIBASE編集部がテーマごとに
動画・記事・音声コンテンツを
厳選してまとめました。

コンテンツパッケージ

CULTIBASE編集部がテーマごとに動画・記事・音声コンテンツを厳選してまとめました。

もっと見る