知の探索の“三段跳び”理論:連載「組織学習の見取図」第6回

知の探索の“三段跳び”理論:連載「組織学習の見取図」第6回

安斎 勇樹

2021.06.24/ 5min read

組織がイノベーションを生み出すためには、日常から変化をし続けることが必要です。特集「組織学習の見取図」では、組織の変化のメカニズムに迫る「組織学習(organizational learning)」領域の理論と実践知について探究していきます。

これまでの記事では、組織学習のプロセスの全体像を示しながらも、ある領域に習熟したエキスパートが保有する「技」の構造や、コミュニティにおいて「一人前」になっていくプロセス(正統的周辺参加)について解説してきました。

目次
組織学習の2つのモード:知の深化と探索
知の探索の3つのレイヤー
知の探索を「三段跳び」で捉える

組織学習の2つのモード:知の深化と探索

これらの知見は、組織学習の異なる2つのモードである「知の深化」と「知の探索」のうち「知の深化」に該当する学習過程です。

知の深化(Exploitation)
既存の事業を深めていくこと。絶え間ない改善を重視する。設定した目標や価値基準に従って、行動を改善させていく「シングル・ループ学習」「低次学習」に該当する。

知の探索(Exploration)
新しい事業を開拓すること。実験と行動を通した学習を重視。固定された目標にとらわれずに、既存の前提を問い直し、新しい選択肢を拡張させていく「ダブル・ループ学習」「高次学習」に該当する。

組織の従業員が自分の役割に従って技を磨き、一人前となっていくプロセスは、既存事業を漸進的に改良していく上で、欠かせません。しかしイノベーションの観点からは、組織の「知の探索」も軽視できません。

得意技に磨きをかけるだけではなく、たまには「現在の視野」の外側に逸脱し、未だ「やったことがないこと」に意識的に挑戦していかなければ、中長期的には変化のエネルギーが失われ、同じようなことを繰り返し続けてしまうリスクがあるからです。

そこで早速「知の探索」に注力しようと、社内にイノベーションプロジェクトを立ち上げるも、そう簡単にうまくいきません。”既存事業を改善する”という明確な指標において足並みを揃えやすかった「知の深化」と違って、何をもって「知の探索」とするのか、目線が合わずに、散漫なプロジェクトになりやすいからです。

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