組織変革は「個人の創造的衝動」から始まる─”CCM”の最初のステップ

CULTIBASE編集部

2020.08.14/ 10min read

多くの組織が新規事業開発に力を入れると同時に、頭を悩ませています。成果を求めて新たなアプローチを積極的に導入しようとするものの、次から次に現れる手法やフレームワークに振り回され、”イノベーション疲れ”を起こしてしまっている企業も多いのではないでしょうか。

こうしたイノベーションにおける”やらされ感”を打破する動きとして、昨今、意味のイノベーションを筆頭に、創り手が実現したい社会やユーザーの新しい生活のあり方を描き、それを叶えるような製品・サービスの創出を目指す「インサイド・アウト(Inside-out)」型のイノベーション・プロセスに注目が集まっています。しかし、先述したように、やり方を取り入れるだけでは十分な成果を得ることは難しく、個人による発想豊かなアイデアも、そのアイデアを受け入れ、実行する創造性が組織になければ、あっけなく潰れてしまいます。

個人や少人数のチームから生まれたイノベーションの萌芽を潰さず育てあげ、革新的な事業として開花させるためには、どのような組織の土壌が必要なのでしょうか? 2020年3月、ミミクリデザインとDONGURIは、こうした問いに対する一つの答えとして、イノベーションを起こし続ける組織づくりの見取り図として、”Creative Cultivation Model(CCM)”を発表するとともに、その全体像を解説する動画を公開しました。

組織の創造性を高める:Creative Cultivation Modelの提案

本動画では、CULTIBASEの全コンテンツの基盤であるCreative Cultivation Model(通称CCM)について解説を行っています。 CCMとは、ミミクリデザインとドングリが2020年3月に制作・公開した創り手の創造的な衝動を起点としたボトムアップ型のイノベーション・プロセスの見取り図です。 本…

 

動画でも解説されている通り、CCMは、主に以下6つの要素から構成されています。

1. CREATIVE IMPULSE:個人の創造的衝動
2. CREATIVE DIALOGUE:創造的対話
3. PHILOSOPHY:哲学・パーパス
4. Sense-making:意味の生成
5. Meaningful Organization:意味深い組織
6. Meaningful Product:意味深い事業

本連載では、組織のポテンシャルを引き出すファシリテーターとして活躍していく上で、これらの要素をどのように捉えていけばよいのか、解説していきます。今回テーマとするのは、「1.CREATIVE IMPULSE:個人の創造的衝動」です。

目次
CCMにおける「個人の創造的衝動」の役割
「創造的衝動」の原型:デューイの思想
イノベーション・プロジェクトの現代病:”正解探しの病”
創造的衝動を引き出すファシリテーターの役割と振る舞い方


CCMにおける「個人の創造的衝動」の役割

CCMにおいて「CREATIVE IMPULSE:個人の創造的衝動(以下、創造的衝動)」はどのような役割を果たしているのでしょうか。その概要をつかむために、以下のイメージ図が役に立ちます。

こちらの図では、CCMを一本の“木”に見立てて描写しています。この中で創造的衝動は、一番下、地中の最深部に位置し、組織の幹を太くし、枝葉を広げていくための水や栄養を送り出す出発点として描かれています。つまり、創造的衝動はあらゆる活動のエネルギー源であると同時に、組織メンバーの一人ひとりの創造的衝動を引き出せなければ、組織全体を創造的にできないことが示唆されています。

今回の記事では、「そもそも『創造的衝動』とは何か?」や「個人の創造的衝動を引き出すためには何ができるのか?」という点について解説していきます。

「創造的衝動」の原型:デューイの思想

「創造的衝動」について語る上で欠かせない人物として、20世紀を代表する教育哲学者、ジョン・デューイがいます。「創造的衝動」という概念は、このデューイの「衝動」に関する考え方をベースに構築されました。

デューイは、「為すことによって学ぶ(Learning by doing)」という言葉を残し、デイビッド・コルブによる「経験学習のサイクル」の基となる理論を提唱したことで教育領域を中心によく知られています。また(こちらはさほど知られていませんが)デューイは、学習の原動力として「衝動」や「欲求」の重要性を説いた人物でもあります。

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